行政書士試験の合格点は?合格率や難易度について解説

行政書士試験の合格点は?合格率や難易度について解説

行政書士は国家資格であるため、資格試験の難易度は高いです。行政書士試験を受ける際にどのくらいの合格点が必要かがわかると、学習計画も立てやすくなるでしょう。

今回は、行政書士試験の合格基準点や合格率、難易度の高い理由を解説します。行政書士試験に合格するための勉強法も紹介するため、効率的に勉強したい人は参考にしてください。

行政書士試験の合格基準点は3つある

行政書士試験の合格点は?合格率や難易度について解説

行政書士試験に合格するには、試験全体で180点以上の合格点が必要です。しかし、単に全体で180点以上を取ればよいのではなく、科目ごとに設定された合格点を超えなければいけません。

効率よく行政書士試験の勉強を進めたいなら、事前に科目ごとの問題数や配点を把握することが大切です。ここでは「法令等科目」「一般知識等科目」(令和6年度より基礎知識科目)「試験全体の得点」の合格基準を詳しく確認しましょう。

1.「法令等科目」244点中122点以上(満点の50%以上)

行政書士試験の「法令等科目」は、法令に関する知識を問う科目です。行政書士業務に直結する法令等科目は、とくに重要度の高い科目といえます。

法令等科目では、基礎法学・憲法・民法・行政法・商法から出題されます。出題方式は5肢択一式・多肢選択式・記述式の3つで、配点は計244点 です。

出題方式 問題数 配点
5肢択一式 40 160(1問4点)
多肢選択式 3 24(1問8点)
記述式 3 60(1問20点)
合計 46問 244点

法令等科目では50%以上の合格点が必要であるため、244点中122点以上正解しなければいけません。法令等科目は問題数が多いため、わからない問題は後回しにするのも有効です。合格基準を満たすには1問でも多く解き、正答率を上げることが求められます。

2.「一般知識等科目」56点中24点以上(満点の40%以上)

「一般知識等科目」は、一般的な知識を問う科目です。

出題科目には、政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解 があります。出題方式は5肢択一式 で、計56点 の配点です。

なお、令和6年度試験より行政書士の業務に関し必要な基礎知識(一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解)に変更となる旨が、試験センターより発表されています。

出題方式 問題数 配点(1問4点)
5肢択一 14 56
合計 14問 56点

行政書士試験の一般知識等科目では56点中24点以上、満点の40%以上にあたる合格点を獲得する必要があります。一般知識等科目のなかでも政治・経済・社会は出題範囲が広く、高得点を狙うのは難しいです。

一般知識等科目は24点以上取れば合格基準点を満たせるため、高得点を狙う必要はありません。試験全体の合格基準点を意識しながら、効率的に勉強しましょう。

3.「全体の得点」300点中180点以上(満点の60%以上)

行政書士試験に合格するには、試験全体で180点以上を取る必要があります。絶対評価制の行政書士試験は、合格基準点を上回れば合格できます。

しかし、法令等科目と一般知識等(※令和6年試験より基礎知識)科目で合格基準点を獲得できても34点足りず、試験全体で必要な合格点には届きません。大切なのは、足りない34点分をどの科目で補うかを考えて学習計画を立てることです。

ただし、行政書士試験では試験全体で合格点を獲得しても、科目ごとの合格基準点を下回ると合格できません。科目ごとの合格基準点は必ず上回るようにしましょう。

行政書士試験の概要と合格率

行政書士試験の合格点は?合格率や難易度について解説

行政書士は国家資格のなかでも人気が高く、毎年多くの人が受験しています。しかし、合格率は10~12%で難易度も高く、合格までに2~3年かかる受験者もいるほどです。

ここでは、行政書士試験の概要合格率を詳しく確認しましょう。

行政書士試験の概要

まず、行政書士試験の概要を確認しましょう。

試験日 11月の第2日曜日
試験時間 13~16時
受験資格 年齢や国籍、学歴問わず誰でも受験可能
受験手数料 10,400円
試験場所 全国47都道府県
申し込み方法 郵送またはインターネット
試験方法 筆記試験

参考:https://gyosei-shiken.or.jp

行政書士試験は1年に1回しか受験できないため、しっかり学習計画を立てて勉強する必要があります。

行政書士試験の合格率は10~12%程度

行政書士試験の合格率は10~12%で推移しており、国家資格のなかでも難易度の高い資格といわれています。専門的な知識が必要なうえに出題範囲も広いため、効率的な勉強が必要です。

直近3年間における、受験者数・合格者数・合格率を確認しましょう。

実施年度 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
2023(令和5)年度 46,991 6,571 13.98%
2022(令和4)年度 47,850 5,802 12.13%
2021(令和3)年度 47,870 5,353 11.18%

参考:https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/trans.pdf

こちらは、令和5年度における受験者の年齢層や男女比を示した表です。

属性 男性(受験者数) 男性(合格者数) 女性(受験者数) 女性(合格者数)
10代以下 337 36 236 11
20代 4,505 853 3,094 433
30代 5,963 1,107 3,528 586
40代 7,748 1,204 4,206 532
50代 8,096 999 3,215 296
60代 4,991 437 1,072 77
合計 31,640 4,636 15,351 1,935

参考: https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/attr.pdf

上のとおり、行政書士試験の受験者を年齢別で確認すると30~50代が多いです。男女比で見ると、 女性より男性の受験者が多いとわかります。

行政書士試験の難易度が高い理由

国家資格のなかでも行政書士試験の難易度が高いのは、次のような理由が考えられます。

  • 試験科目が多く、出題範囲も広い
  • 各科目に合格基準点が設けられている
  • 択一式や記述式など、出題形式が多様

他に、法改正に合わせた法律知識のアップデートが必要なことも、難易度の高さに影響しています。

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行政書士試験合格に必要な時間は600~1,000時間

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行政書士試験に合格するには、600~1,000時間の勉強時間が必要だといわれています。仮に試験の1年前に勉強を始めるとして、合格までに600~1,000時間を達成するには、1日2~3時間の勉強時間を確保することが必要です。

独学でも、正しい方法で勉強すれば行政書士試験に合格できるでしょう。しかし、予備校を利用した場合は比較的短期間で、より効率的に勉強を進められます。

行政書士試験の合格点をクリアするための勉強法3つ

行政書士試験の合格点は?合格率や難易度について解説

行政書士試験は、各科目で設けられている合格基準点を満たす必要があります。科目ごとの配点も大きく異なるため、それらも意識しながら勉強することが大切です。

ここからは、行政書士試験の合格点を満たすための勉強法を確認しましょう。

1.行政法と民法を重点的に学習する

行政書士試験に合格するには、配点の高い行政法民法を重点的に勉強しましょう。法令等科目で問われる行政法や民法は、総合得点の300点中188点を占める重要科目です。

基礎知識科目をおろそかにしてよいわけではありませんが、合格基準点を超えれば十分であるため、高得点を狙うための勉強は必要ありません。日頃からニュースなどを見聞きして、社会の動きや世界情勢などを押さえておきましょう。

2.合格点を意識しながら学習する

行政書士試験は、各科目の合格基準点を満たしたうえで、全体の60%以上を得点できていれば合格できます。各科目で満点を目指す必要はありません

行政書士試験は出題範囲が広いため、各科目での満点を目指すと勉強時間が不足することも多いです。合格基準点の達成を意識して学習に取り組みましょう。

3.効率的な学習スケジュールを組み立てる

合格点を満たして行政書士の資格を取得するためにも、効率的な学習スケジュールを組み立てましょう。なんとなく勉強を始めても、試験当日までに出題範囲を網羅できないことも多いです。

まずは、受験日から逆算して確保できる勉強時間はどの程度なのかを確認しましょう。おのずと1日に必要な勉強量もわかるため、効率的な学習スケジュールを立てられます。

ただし、行政書士試験の出題範囲は広いため、効率的に勉強しなければ合格するのは難しいでしょう。独学で合格基準点を超えられるか不安な場合は、スクールを利用するのもおすすめです。

スクールを利用すると、法改正に伴う最新情報を学習に反映できます。また、スクールの通学講座では、カリキュラムと講義スケジュールに合わせた効率のよい学習が可能です。

スクールが提供している通信講座であれば、時間や場所を問わずに学習スケジュールを組み立てられます。

効率的な学習で行政書士試験の合格点を目指そう

行政書士試験の合格点は?合格率や難易度について解説

行政書士試験の出題範囲は広いため、効率的に勉強する必要があります。

すべてを完璧に覚えるよりも、3つの合格基準点を目指した勉強が大切です。法令等科目では122点以上一般知識等科目では24点以上を目指し、そのうえで試験全体の合格基準に足りない点数は得意科目で補うとよいでしょう。

法令等科目の中でも民法行政法は重要科目です。記述式は3問しかないものの、1問20点と高配点であるため、貴重な得点源といえるでしょう。

行政書士試験をパスするために必要な勉強時間は、一般的に600~1,000時間といわれます。独学では、自分で好きなように勉強を進められる反面、必要な勉強時間が取れない場合もあるでしょう。

しかし通学講座であれば、カリキュラムと講義スケジュールに沿って効率的に学習できます。ほかにも、法改正に伴う最新情報を学習に反映できるなど、通学講座にはメリットも多いです。

独学で合格点を目指すことに不安を感じるなら、通信講座の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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