行政書士試験の合格率はどれくらい?
難関である理由と攻略方法を解説

行政書士試験の合格率はどれくらい?難関である理由と攻略方法を解説

近年、行政書士試験の合格率は低い数字で推移しており、難関であると言われています。本記事では2023年度の合格率と合格者の年齢、平均勉強時間などをご紹介しましょう。

また、行政書士試験の合格率が低い理由や試験内容、合格するための勉強方法についても解説します。

2023年度の行政書士試験の合格率は13.98%

2021年度の行政書士試験の合格率は11.18%

一般財団法人行政書士試験研究センターの発表によると、2023年度の行政書士試験の受験者数は46,991名、合格者数は6,571名で合格率は13.98%です。2022年度の合格率が12.13%、2021年度の合格率が11.18%と、近年低い数字をキープしており、難関であるという状況が続いていることがわかります。

ここではさらに行政書士試験の合格者の年齢層と10年間の行政書士試験の合格率の推移を見ていきましょう。

行政書士試験の合格者の年齢層

2023年度の行政書士試験の受験者と合格者の年齢層を示しているのが以下の表です。

年齢層 受験者数 合格者数
10歳代以下 573名 47 名
20歳代 7,599名 1,286名
30歳代 9,491名 1,693名
40歳代 11,954名 1,736名
50歳代 11,311名 1,295名
60歳代以上 6,063名 514名

合格者の年齢層の多い順に40歳代、30歳代という結果が出ています。また、受験者数の多い順は40歳代、50歳代です。

合格者の多くが20~50歳代であることがわかります。

10年間の行政書士試験の合格率の推移

ここ10年間の行政書士試験の合格率の推移を表しているのが以下の表です。

                                                           

年度 受験者数 合格者数 合格率
2023年度 46,991名 6,571名 13.98%
2022年度 47,850名 5,802名 12.13%
2021年度 47,870名 5,353名 11.18%
2020年度 41,681名 4,470名 10.72%
2019年度 39,821名 4,571名 11.48%
2018年度 39,105名 4,968名 12.70%
2017年度 40,449名 6,360名 15.72%
2016年度 41,053名 4,084名 9.95%
2015年度 44,366名 5,820名 13.12%
2014年度 48,869名 4,043名 8.27%

10年間の推移を見ると、行政書士試験の合格率が低い数字を維持していることがわかります。

もっとも合格率が高かったのが2017年度の15.72%です。それ以外の年度は8%台から13%台の範囲に収まっており、多少の幅はありますが、行政書士試験はここ10年変わらず難易度が高いと言えます。

行政書士の試験が難しい3つの理由

行政書士の試験が難しい3つの理由

行政書士の試験が難しい理由はいくつか考えられます。主な理由は以下の3つです。

●試験科目が多く勉強範囲が広い
●科目ごとの合格基準点がある
●出題の形態が多様で対策が必要

この3つの理由の対策を立てるのは簡単ではありません。それぞれをクリアするためには多くの勉強時間が必要になるからです。

それぞれ詳しく解説しましょう。

1

試験科目が多く勉強範囲が広い

行政書士試験は大きく法令等科目と一般知識等科目に分かれます。法令等科目は基礎法学、憲法、行政法、民法、商法の5科目です。

一般知識等科目は政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解の3科目から出題されます。法令等科目が46問、一般知識等科目が14問と問題数も多いため、広範囲で勉強する必要があるのです。

※なお、一般知識等科目は、令和6年度 行政書士試験の改正により、行政書士の業務に関し必要な基礎知識(一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解)へ変更となることが発表されています。

2

科目ごとの合格基準点がある

行政書士試験は合格基準が定められています。その基準をすべて満たさなければ、合格できない仕組みになっているのです。

なおその基準とは以下の3つです。

・法令等科目の合計244点のうち122点以上の得点をしなければならない
・一般知識等科目の合計56点のうち24点以上の得点をしなければならない
・試験全体の合計300点のうち180点以上の得点をしなければならない

つまり合格するためには、極端な不得意科目を作らないようにして、万遍なく得点することが求められます。

3

出題の形態が多様で対策が必要

行政書士試験の出題形態が多様であり、さまざまな対策が必要になるため、難易度が高くなる傾向があります。たとえば、法令等科目で出題される46問のうち、40問が5肢択一式、3問が多肢選択式、3問が記述式です。

出題数や配点の高い択一問題を重点的に対策する必要があります。しかし、記述式も1問あたり20点と配点が高いため、おろそかにはできません。

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行政書士の試験内容

行政書士の試験内容

行政書士の試験内容と対策について具体的に解説します。法令等科目と一般知識等科目がありますが、科目ごとに均一に配点されているわけではありません。

どちらの科目も範囲が広いため、すべてを網羅するのは難しいと言えるでしょう。ポイントを絞って、メリハリをつけながら勉強することが必要です。

法令等科目と一般知識等科目とを分けて説明します。

行政書士の業務に関し必要な法令等科目

法令等科目は基礎法学、憲法、行政法、民法、商法の5科目で、合計244点のうち122点以上で合格基準を超えられます。法令等科目は行政書士の業務に直結するものであり、きわめて重要度の高い科目と言えるでしょう。

5科目に分かれてはいますが、法律はそれぞれ有機的な関連等があるため、一気にまとめて勉強することをおすすめします。

行政書士の業務に関連する一般知識等科目(令和6年度より「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」)

一般知識等科目は、政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解という3科目です。政治・経済・社会は世界各国の政治制度、国内の選挙の制度、国際問題、金融政策、環境問題、社会保障制度、労働問題など、広範囲にわたっています。

情報通信・個人情報保護は基本的な用語中心の出題が特徴です。文章理解は現代文からの出題で並べ替えや空欄補充の形式であるため、コツをつかむ必要があります。

※令和6年度 行政書士試験の改正により、「行政書士の業務に関連する一般知識等」は、「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」(一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解)へ変更となります。

行政書士試験の4つの攻略ポイント

行政書士試験の4つの攻略ポイント

行政書士試験は範囲が広く難易度が高いため、しっかりポイントを絞ってメリハリをつけて勉強することが求められます。主な攻略ポイントは以下の4つです。

●法令等科目は配点の高い科目に重点を置く
●一般知識等科目は基本的な知識中心
●過去問題集を反復する
●通信・通学講座を利用する

それぞれの攻略ポイントについて具体的に解説しましょう。

1

法令等科目は配点の高い科目に重点を置く

法令等科目の5科目の中で特に重点的に勉強すべきなのは行政法と民法です。行政法は112点、民法は76点と2科目だけで法令等科目の77%になるため、集中的に勉強することで、得点力アップの効果が期待できます。

この2科目をしっかり押さえながら、憲法、商法、基礎法学は基本問題を取りこぼさないように、基本的な勉強をおろそかにしないことが必要です。

2

一般知識等科目は基本的な知識中心

一般知識等科目の合格基準は合計56点のうち24点以上です。一般知識等科目は範囲が広いのに対して配点が少ないため、基準クリアを優先して勉強するといいでしょう。

一般知識等科目に時間を割きすぎないようにすることがポイントです。短時間で効率的に勉強し、残った時間を法令等科目の勉強時間に回すことをおすすめします。

※なお、令和6年度 行政書士試験の改正により、「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」(一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解)へ変更となります。

TACでは、最新の試験改正にもカリキュラム内の講義・答練でしっかり対応します。改正は独学では対策が取りづらい部分ですが、TACのような長年の受験ノウハウのある学校を利用することも検討するとよいでしょう。

3

過去問題集を反復する

行政書士試験は広範囲にわたっているため、どこをどのように勉強すればいいのか、ポイントを把握するのが難しくなる場合があります。しかし、過去出題されたところから繰り返し出題されることが多く、過去問題集を反復して解いていくことによって、効率的に勉強すべき範囲を網羅できるでしょう。

正解か不正解かだけでなく、理解することが重要です。苦手な問題ほど反復して解いていくことをおすすめします。

4

通信・通学講座を利用する

時間を効率的に使って勉強するには、通信・通学講座の利用が有効です。TACは過去の実績やノウハウがあるため、合格に必要なカリキュラムが用意されており、計画的な学習が可能になります。

通信ならば空き時間を利用でき、通学講座ならば、モチベーションを維持して学習できるでしょう。行政書士試験に合格するために、通信・通学講座の利用を選択肢のひとつとして検討してください。

行政書士の試験対策を立てて
合格を目指そう

行政書士の試験対策を立てて合格を目指そう

行政書士試験の2023年度の合格率は13.98%であり、難関である状態が続いています。試験の範囲が広い、科目ごとに合格基準点があるなど、いくつものハードルがあるのが現状です。

効率的に勉強して合格するために、TACの行政書士講座の通信・通学講座をおすすめします。スマホやタブレットでの通信学習にも対応しているため、状況に合わせた学習が可能です。

行政書士の試験対策を早めに立てて、TACの行政書士講座の通信・通学講座を活用し、合格を目指してください。

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そのため、合格するためには多くの勉強時間を必要とします。
この記事では、行政書士になるための勉強時間に関して解説します。効率的な勉強時間の作り方や試験の特徴まであわせてチェックしていきましょう。

まとめ

近年、行政書士試験の合格率は低い数字で推移しており、難関であると言われています。また、試験科目が多く勉強範囲も広いうえに科目ごとの合格基準点があり、試験の出題形態が多様のため対策が必要になるなど、いくつものハードルがあるのが現状です。

行政書士試験合格のキーワードは、学習の量ではなく学習の質にあります。必要な知識を選別し、確実に押さえ、その精度を高めていくことが大切です。 TACの行政書士講座では、「覚えて合格(うか)る」ではなく「理解(わか)って合格(うか)る」を目指しています。

一人で勉強をすることに不安がある方、効率的に最短で合格を目指したい人は講師が丁寧に指導しますので、安心して学習ができます。

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