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#538 試験本番でのリラックス(2)
試験本番での緊張感をとくためのちょっとしたコツを紹介します。
「試験本番」と見ただけで緊張が走ったあなた。いま、ご自分の仙骨(背骨の一番下にあるところ)が左右からギューっと固められて不快に感じませんか?
悪く緊張している人は、たいてい仙骨が固まっています。そうなると頭と体のパフォーマンスが劣化します。で、本番中に「やばい.....」という気持ちになる→さらに仙骨が固まる→頭が本当に真っ白になる.....という悪循環に陥ります。
仙骨とは、脊柱の一番下に位置する骨。二等辺三角形をイメージしていたたき、左右の二辺がそれぞれ骨盤(腸骨)に接している。この関節を「仙腸関節」と呼びます。
この小さな関節には、大きな役割があります。それはカラダ全体が動くための起点になるということです。試しに、わざとお尻で背骨の末端を左右から締めるようにして、仙腸関節を固めてみてください。動けなくなるでしょう?
末端とはいえ脊髄であるため、ここが固まると超高速で脳に届きます。これでアタマが真っ白になるわけです。
突然に何か大きな恐怖や驚きに襲われた時、仙骨はカチッと固まります。そして身体は動かなくなり、頭脳のパフォーマンスも著しく落ちます。
どうしてヒトがこういう進化をしたのかわかりません。仙腸関節が固まらないDNAのご先祖たちは、やみくもに逃げたことでしょう。で、ケモノにやられてしまった。逆に、その場で動けない考えられないと固まったご先祖達の方が生き延びられたのか。
とにかく「ピンチのときに仙腸関節が固まるDNA」が、我々に受け継がれています。これは変えられません。だからと言って、大切な試験本番中に仙骨が固まっちゃうと困りますよね。
ではどうすればいいか。それは
「仙腸関節をわざとギューーーーっと固めて、ふっと緩める」
これを試験開始前に3回繰り返しましょう。
「え、それだけ?」はい、このシンプルな行動が、あなたの仙骨まわりの緊張を和らげ、体そして頭をリラックスさせます。
緊張感を解くためには深呼吸せよという方がいますが、深く息を吐く際に、仙骨を緩めるようにすることが重要です(できれば吸う時にわざと仙骨を固めてみる)。そうして初めて意味を成すのです。単に深く呼吸するだけでは、緊張はおさまりませんよ。
スポーツ選手やビジネスのエキスパートたちは自然と、息を吐く時に仙骨を緩めているんです(ここを語るとかなり長くなります)。しかし、達人のみなさんは無意識にそうしているので、人には教えられないんですよね。というか、人間はみんなそうするもんだと思っている。
達人の域に達していない私たちは、強く意識してこのルーティンを行う必要があります。これがクセとして身につけば、試験中に「マジでやばい!」「間に合わない!」などと追い詰められたときも、危機的な状況を乗り切ることができる確率が上がります。もちろん資格試験本番だけでなく、日常のお仕事でもプライベートでも役立つでしょう。
ということで、突発的な緊張をコントロールする鍵は、あなたの仙骨にあります。次回の試験本番では、仙腸関節を意識して、そしてギューっと固めてみてください。息を吐きながら3回繰り返して解きほぐすのです。
試験の成否を決める能力は二つです。それは「あなたがどれだけの能力を持っているか」と「どれだけその能力を発揮できるか」、この両刀が必要なのです。能力を高める訓練だけを徹底的にやり込んでおけば、本番で緊張することは決してない、などと考える方々は、緊張しまったときにそこから脱する方法を知らないでもったいない結果を繰り返すのです。
試験中の絶体絶命のピンチ時であっても、息を吐きながらの仙骨コントロールを思い出せるようになること。それを、「子どものころから鍛えられたおかげで自然とできる」のでないのであれば、いまから「意識してできるようになる」しかありません。
「あれほど一生懸命勉強したのに本番に弱い人」にはなりたくないですよね。ぜひ、仙骨緩めルーティンをクセにしてください。
TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師