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#533 AIは経理業務をリプレイスするか(2)
みなさんお元気ですか。草龍は新型コロナに感染してしまいました。2021年の1月以来2回目です。幸い症状は30時間くらいでおさまりましたが、ちょっと辛かったです。
いくら気をつけても、もはや感染は避けられません。ですから、感染した際に出来るだけ軽症で済むようなカラダつくりが大切ですね。そのためには@よい睡眠Aよい飲食Bよい運動 を実践するしかありません。実に言い古された話ですが、これ以外に一発逆転の魔法はないようです。
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さて、これからChatGPTなどの生成AIを使うことが、職場でも普通になっていくと思われます。いまでも「検索」が上手な人と下手な人がいますが、相手が検索エンジンから「AI」に変わりますと、「質問」が上手か下手かで結果が変わってくるということになります。
どんな情報をAIから引き出そうとするかで、当然返ってくる結果は違ってきます。さらに、AIが返してきた結果に対して、さらにどのように突っ込んで問いかけをするかで、最終的に得られる情報や知見が変わり、大きな違いとなって表れてくるでしょう。
つまり、これから大切な能力は「どのような質問ができるか」ということなのです。「するどい問いを立てる能力」こそが、生成AIが発達した時代に必要とされるのです。
現在、企業のシニア従業員のリスキリング(学び直し)の重要性が強く叫ばれるようになっています。しかし、シニア層にとっては、全く新しい分野の知識を新たにインプットするよりも、「問いを立てる」能力をしっかり磨くことこそが意味あるリスキリングなのではないでしょうか。
鋭い問いをたてるというのは、ある程度の知見や経験を有しているからできるわけです。何も予備知識なしでは、問いも立てにくい。既存の知識や枠組みを理解しているからこそ、それに裏打ちされた、意味のある問いを立てることができるのです。
これこそこれからのシニア層に期待されていることであり、それを鍛えるためのリスキリングが重要なのではないでしょうか。生成AIは、プログラミングなど専門的な知識がなくても活用できるという点では、むしろシニア層の活躍の可能性を広げる武器だと思います。
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「問いを立てる力」は、試験勉強でも大変有効です。テキストの論点について、自分ならどういう試験問題が作れるか、考えてみてください。
慣れないうちは、単に穴埋め問題しか思いつかないでしょう。つまり「リンゴは英語で【 】という」という形式です。
実はこれ、まだ試験勉強に慣れていない方の勉強方法そのものなのです。リンゴはapple、バナナはbanana、オレンジはorange.....と片っ端から覚えていく。
そのうちにだんだんと、選択問題が作れるようになってきます。「リンゴは次のうちどれか?Apple、banana、orange」という形式ですね。
選択問題が作れるということは、試験勉強のレベルが「リンゴはapple」の段階を脱して、「リンゴはbananaでもorangeでもなく appleである」と覚えられるということなのです。こうなってくると勉強の成果は加速していきます。
自分ならどういう問題を作るかな?と考えるクセをつけておくと、出題者の意図を汲み取れるようにもなってきます。問題と選択肢を見て「これ、何を聞きたいの?」と困ってしまうことが多い方には、とくに有効な解決法かもしれません。
ということで今回は、これから「いい質問」「鋭い問いかけ」ができることが役立つようになるのではないか、というご提案でした。
TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師