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2023/05/31
成功し続ける方法/527回<うまい話は「オレの知らないどこかにある」という誤解>
#527 うまい話は「オレの知らないどこかにある」という誤解


最初に言ってしまいます。うまい話は「ない」です。あなただけが不公平な世の中のせいでうまい話に出会えないわけではないのです。

ですから「あなただけに教えます」といううまい話が回って来たら、怪しまなければいけません。「おお、ようやく俺にも回ってきたか!」などと喜んではダメ絶対。

お子さん達には、この【常識】を教えましょう。そして、もしあなた自身がこの【常識】を忘れていたなら、いますぐ思い出してください。

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先日、東京・銀座で「宝石店強盗事件がおきました。白昼堂々、衆人環視の中での犯行が話題になりました。

犯行メンバーの10代の方々は、ネットで募集されて集まったのだそうです。いわゆる闇バイトですね。

これは草龍の想像ですが、募集する際に業務のリスクを開示していたとは思えません。

「白昼堂々と銀座で強盗してもらう、そしてほぼ確実に逮捕される、けど有名にはなれるぜ、フォロワーも増やせるぜ。どう?」

.....なーんてことは一切いわず、ただ「うまい話」があるという募集だったのではないでしょうか。

具体的には、誰でもできる・カンタン・タイパがいい、など。クルマが運転できればなおよし、できなくても全然オッケー、それなのに分け前は多いよ!てな感じだったのではないでしょうか。つまりは「うまい話」。

こういう「うまい話」に引っかかる方々は、「うまい話はない」という【常識】を、誰にも教えてもらえないままに生きてこられた。そしてこう考えている。

「世の中が不公正・不公平だから、オレだけ、うまい話が回ってこない」

「しかし、オレにもそのうち必ずうまい話が回ってくるはずなんだ」

「つまり、オレはまだ、うまい話が回ってきていないだけなんだ」

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ところが、残念ながら「うまい話」はありません。これは【常識】として親や社会から教わるべきことですが、なんならFARでも学びます。レベニュー(収益)はそのための必要なエキスペンス(費用)をかけないと獲得できないということです。

「うまい話」には、そのレベニューに見合う「高額のエキスペンス」が必ず隠れています。それは例えば、逮捕され起訴されて有罪となるエキスペンスです。犯罪に限らなくても、高いリターンには必ず高いリスクが伴う。このことを、普通は大人になる前に、以下のように教わるわけです。

「うまい話がついにキタ!と思ったら、飛びつく前に2点を疑いなさい。

1. なぜそんな高いリターンが可能なのか?そして、
2. なぜそんないい話が自分に回ってくるのか?」

これに対抗して、「うまい話」が「ある」と騙す側も、この2点を説明しようとします。

1.なぜ高いリターンが可能?
→われわれ独自の秘密のやり方があるからだ(大抵は海外の何かがどうのこうの)。教えたいが、「参加する」と約束しないと教えられないな〜

2.なぜ私に?
→それは日ごろあなたが人知れず頑張っているのを、私たちだけは見ていたからだよ

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さて、なんでこんな話をするかと言いますと、草龍はこのところ話題の「金融教育」が気になるからです。

子どもに「人生の資金計画をしよう」と呼びかけるという内容なんですよね。子育てはお金がかかる、自分で資産運用しなきゃ老後は苦しい、ということでNISAやDC(iDeCo)を勧めるという。

しかし、金融「教育」をするなら、なにより先に教えるべきことは「うまい話はない」だと思います。子どもたちには、それだけでいいくらいです。金融の話の前に、とにかく働いて稼げるようになることが大切だ、と教えなければいけない。それを踏まえずに、ただひたすら「資産運用をしなければ大変だ」などと教えるのは、いかがなもんでしょうか。

ハイリターン・ハイリスクの投資を行う方は、一方でローリターン・ローリスク投資も、ミドル・ミドル投資もしつかり行っている。それがリスク分散ポートフォリオである。人生も同じで、ハイリスクの挑戦をするためには、ローリスクの固い基盤がガッツリと必要だ。

そんなことも教えずに、金融商品での運用をあおるような教育は、むしろ有害ではないでしょうか?闇バイトも問題ですが、「投資詐欺」の犠牲になる若者たちもあとを絶たないそうです。

しかも教えるのが学校の先生となると、、、果たして先生方はどのくらい「世の中」をご存知なのか。

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とにかく、「うまい話」は「ない」です。あなただけが(不公平な世の中のせいで)うまい話に出会えないわけではない。だから、「あなただけに教えます」といううまい話が回って来た時は、怪しまなければいけない。

あなたのお子さんたちには、こういう【常識】を教えなおしましょう。そして、「うまい話」はないという信念のもと、まずはローリスクでリターンを得られるようになること。そこからはじめて、少しづつリスクを上げられるように積み重ね続けるしかありません。

「そんなんじゃ、30歳までに30億円作れないよ!」

「ビジネスをイチから作ってエグジットした経験もない親の言うことなんか、意味なくて聞けないよ」

そう反論されても、読者の皆さんなら、お子さんをしっかり教え諭すこと、できますよね?


TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師
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