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#525 試験本番は肉体競技です(7)
このシリーズの締めくくりに、草龍自身の受験体験記をお送りしよう。
5月の連休明けに、草龍は 「IFRS財団」による「Fundamentals of Sustainability Accounting (FSA) 」のレベル2(後半)を受験してきた。
FSAは、試験時間がわずか120分であることと、会場がプロメトリックさんでなくピアソンビューさんであることで、USCPA試験の完全コピーとはいかない。しかし58歳目前の草龍にとっては、まさに「試験本番は肉体競技」を地でいく「試合」であった。
では、以下に実体験のポイントを記そう。
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1、「試合」前日までのコンディショニング
・1週間禁酒した。これは肝臓の疲労を癒すためである。
・2日前から摂取水分を減らした。もちろん当日の頻尿を防ぐため。
・4日前から2日前までにかけて一旦炭水化物を減らしたうえで、前日に炭水化物摂取を増加させた。これはマラソンレース出場のノウハウ(カーボローディング)である。なお草龍は小麦が苦手ゆえ、炭水化物はもっぱらご飯で補給した。
・3日前からは消化の悪いものを食べず、当日朝の便秘を防いだ。
・1週間前から、試験開始時刻10時に合わせて6時に覚醒するリズムの確立。起床が早過ぎてもいけないので就寝時刻を早めすぎないのがポイント。
・熟睡するために毎日20分、脈拍を130程度まであげる軽い有酸素運動を実施。
2、試合当日
・リズム通り6時起床に成功。
・7時、すなわち試験開始3時間前までに、ご飯と梅干し納豆だけの朝食。当日朝は脂や野菜や海藻は避ける。なおパン食の方はベーグルをすすめる。
・カフェインは摂らない。尿意防止のため。
・排便にも成功。コンティンジェンシーとして浣腸薬も用意したが、使わずにすんだ。
・草龍は気圧低下に弱いので、ルーティンの耳運動(ネットで調べてみてください)。ただし当日は幸運にも気圧は下がらなかった。
・ランニングで愛用の着圧ハイソックス着用。少しでも脚(ふくらはぎ)のポンプ能力を高め、脳への血流増加を促すため。
・試験開始アポの30分以上前に会場で受付。ピアソンビューはメガネ以外に目薬を持ち込めるので持参。
3、試合中(120分間)
・脳に酸素を送るため、「大きな呼吸」を途切らせないことを意識。
・脳に血流を送るため、太ももにべチャーっと座って毛細血管をつぶさぬよう、姿勢良く坐骨の「点で座る」ことを意識。
・なおピアソンビューでは防音ヘッドホンが支給される。草龍はこれを着用したが、向いていない人は使わないこと。人によってはアタマの締め付けや、「自分の鼓動や呼吸の音が聞こえすぎる」ことがある。
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試合、もとい、試験結果は合格ではあったが、100分頃(残り20分頃)に脳のエネルギー不足を感じ、そこから能率が落ちたのは残念だった。そのころまでに一旦全問解き終わってはいたので事なきを得たけれども、やはり40代までとは「電池のもち」が違うと痛感させられた。
理由は2つあって、
1, まず50過ぎてからも脳を使う訓練を続けてきたことで「脳がエネルギーを食ってガンガン回る」状態をキープできているため。これはいいこと。
2, しかし一方で、カラダの糖質(グリコーゲン)保持キャパシティが減ったため。悲しいが老化を認めざるを得ない。
いわばダブルで「電欠」しやすい脳になってるわけである。
と言うわけで、受験を体験してきて何よりみなさんにお勧めしたいことは、体力(糖質保持能力)が衰える前に過酷な試験を片付けてしまうこと!これを、あらためて強く勧めるしだいである。
試験終了して合格証を受領した草龍は、「試合に勝った」自分をセレブレートするために、クリームたっぷりのチーズケーキをいただいた。とても美味かったです!
(続く!!)
TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師