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2023/04/12
成功し続ける方法/521回<試験本番は肉体競技です(3)>
#521 試験本番は肉体競技です(3)


今回は試合、もとい、試験直前の「飲食」について。

まず最初に「ダメ絶対」と言っておきたいのは、コーヒーやエナジードリンクを、普段飲み慣れていない方が試験本番直前にガーッと摂取すること、これほんとにやめてください。最悪は急性カフェイン中毒症を起こして病院搬送です。

カフェインへの感受性が強い人は200ミリグラム程度の摂取でも中毒症状が出ることもあるそうです。200mgとはエナジードリンク1〜2本とか錠剤で1〜2錠です。普段カフェインを摂る習慣がない方は、ご自身のカフェイン感受性をご存知ないわけなので、慣れないカフェイン投入はやめましょうということです。

(なお、一般成人でカフェイン中毒症状が起きるのは、短時間に1,000ミリグラム(1グラム)摂取した場合という研究があります)

普段飲み慣れている方でも、試験直前のカフェインは避けましょう。利尿作用があるからです。貴重な試験時間中に2回も3回もトイレに行くはめになる方もいますが、できれば1回も行かないで済ませたいですよね?カフェインに限らず、カリウムも利尿作用が大きいので、当日はバナナ・りんご・ヨーグルトなども避けましょう。

そしてもちろん、前日から、水分の摂りすぎも避けましょう。

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試験前日や当日に、普段と違うモノを体内摂取するのはよくありません。

どうすればいいかというと、試験前夜や当日に食べるつもりのモノは、直前1ヶ月に何回か予行で食べてみてください。そして体調がどうなるか、トイレにどのくらい行きたくなるか、それをきちんと実験しておきましょう。

日頃から「前日や前々日に何を飲食すると、体調や排泄はどうなるか?」を考えているビジネスパーソンは、実は結構おられるんです。客先に出向くことや、移動時間が長い方などがそうですね。でもそういう方々はウラの努力を公言しないので、やらない人はやらない。で、重要なプレゼンの日に頻尿になってしまったりする。

飲食の影響を深く考察(自己観察)していない方には、日頃快適なオフィス内での自律的ワークがメインで、「トイレならいつでも行けるから.....」という方が多いかも。経理部門には特にありがちかもしれない。しかしこの「恵まれたワーキング環境」が、試験本番の肉体競技では仇となりかねないのです。

今日から是非、飲食の影響が翌日・2日後・3日後にどうでるか、きちんと認識する習慣をもちましょう。記録を取るのが一番よく、スマホで写真撮るだけでもよいです。どれだけ水分を飲んだらどれだけトイレに行きたくなったか、それだけでもよいのです。

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飲食による、試験前夜の催眠への影響も大事です。

試験前夜は消化が良い炭水化物をメインにしてください。消化に大きなエネルギーを使えば、とうぜん安眠が阻害されます。

そして水分を摂りすぎないことです。翌日の頻尿を防ぐためにも。

アルコールを飲まないと寝られない方。これは一理あって、アルコールによる精神の鎮静力はものすごいのです(酔ってるときケガしても痛みを感じなかったりする)。禁酒にトライするとしばらく夜に目が冴えて寝られないことが多いのはこのせいです。やむなく一杯寝酒を引っ掛けてしまって禁酒失敗(泣)という例が後をたたないのです。

ですので、試験までアルコールを断つつもりなら、やめ始めるのは3週間くらい前からにしましょう。「寝つきが悪い数日」を試験2週間前までに乗り越えておかないといけないからです。マラソンの市民ランナーでも3週間前からの禁酒が目安になっています。3週間前までに禁酒を始めなかったのであれば、仕方ないから少し控えめにしていきましょう。

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試験直前に戻って、さきほどカフェインの話をしましたが、糖についても注意してください。ごはんでもパンでもエナジードリンクでも、糖を摂れば血糖値があがります。問題はその後(摂取してから数十分後)、インシュリンが出て血糖値が平常値にもどるべくガーッと下がることです。まずいのは、このときに眠気や倦怠感に襲われるということです。

ですから試験1時間前に血糖値をスパイク(急上昇)させてはなりません。つまり、エナジードリンクやゼリーなどで一気に摂取するのではなく、数時間前から小分けにして体内に蓄積しておきましょう(この穏やかな蓄積のためにも、前夜は消化が良い炭水化物がよいのです)。

蓄積がないと、こんどは試験中に血糖値が平常値から下がってしまいます。これは絶対に避けなければいけない。

日頃、特になにもしていなくても、脳はカロリーの2割以上を食います。まして試験問題を解きつづけるとなれば、脳は猛烈なカロリーを消費します。「試験なんて座っているだけだから」と甘く見てはいけません。試験中に血糖値が下がると、脳は突然猛烈な疲労感にとらわれます。集中力や思考力が急激に低下し、信じられないようなミスを犯します。さらに一番おそろしいのが「もういいや〜」と脳が投げやりになることです。

ですので、試験前夜からしっかりと体に糖を溜めておかないといけません。ふたたび市民ランナーの話をすると、試合の3日前にいったん体の糖(グリコーゲン)を枯渇させ、そこから炭水化物を小分けに摂取し続けて筋肉に蓄積させる方もおられます(カーボローディング)。そのやりかたに慣れている方は試験前にも同様にやればよいですが、前述のとおり予備訓練なしにいきなり試験本番3日前に新しいことをするのはやめてくださいね。

(なお、プロメトリックの試験座席には、飲食物をもちこめない可能性が高いことをお忘れなく)

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ということで以上、試験という試合の前の飲食について、「今日から準備できること」と、「直前に心がけること」をいくつかお伝えしました。途中でも書きましたが、これらは受験だけでなく、お仕事などでの重要なイベントに臨む際にも役立ちます。やっている人は飲食対策もしっかりやってるんですよ、ただ教えてくれないだけでね。競争のきびしい時代ですからね。


(続く!)


TAC USCPA講座/草野龍太郎講師
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