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2023/04/10
成功し続ける方法/520回<試験本番は肉体競技です(2)>
#520 試験本番は肉体競技です(2)


本文の前に時事ネタを。

アメリカで金利が急上昇する中、JPモルガンさんやウェルズファーゴさんなどの大銀行6行さんが、保有する債券の区分を「available for sale」から「held to maturity」に変更しました。HTMの金額は、1年前とくらべると6,810億ドルから1兆1,400億ドルへと急増。

受講生のみなさんには常識ですが、金利上昇イコール債券の時価下落となるところ、区分変更でバランスシートへの悪影響を回避 することができます(回避目的の区分変更では?などとは言ってません、笑)。AFSは時価評価する必要がありますが、HTMはその債券を満期まで保有する前提なので、時価ではなく償却原価で処理されるからです。 

先日経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)は、HTMに区分している債券の割合が多かったものの、預金流出が多くなったためにその「満期保有を前提の」債券を売却して現金化せざるを得ず、つまり多額の売却損が出た。そこから一気に破綻への動きになりました。

もちろん、上記の6行さんは、SVBさんとは規模から何からかなりの違いがありますので、心配はないと思いますが...。

このような今どきのニュースを理解できるようになるのも、USCPA資格試験に取り組むメリットですね。

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さて前回の続き、試験本番は肉体競技だという話です。

みなさん当たり前ですが日によって体調が変化しますよね。その変化はいくつかの小さい変化の集合体であり、小さい変化のいくつかは把握することができます。すると、わりと多くの変化が「周期的である」もしくは「直前に明確な原因がある」ということがわかります。

わかりやすく言えば、女性であれば体調はほぼ月次で周期的ですし、男性でも月次の体調周期を自覚する方もおられます(月の引力の影響はとても大きいわけです)。また直前の原因としてもっともわかりやすいのが飲み過ぎからの二日酔いです。

試験本番が肉体競技だとして、その本番をターゲットして体調をピークにもっていくことも考えられます。

「周期」がわかっているなら本番はドン底の日を避けてプロメトリックセンターを予約(変更)すればいいですね… と言うは易しでして、実際にはなかなかそんなに都合良くいくものではありません。

また、「事前原因」は悪いものを避けてよいことを行うようにすればいいわけですが、これもうまく調整できないことがある。たとえば、滅多に会えないクライアントの幹部と会食できる千載一遇のチャンスを得た!となると、「あした試験なんでパス」というわけにはいかない。試験前夜にご家族が急病になり、よどおし看病してまさかの徹夜で受験ということだってあるわけです。

プロスポーツのトップ選手であれば、試合にむけてピーキング(体調のピークを合わせる)しなければならないし、そのための専門スタッフもついてくれたりするでしょう。しかしみなさんはそうではない。ということは、試験当日に体調がよいとは限らない、ということを前提においていただきたいのです。

つまり、「試験本番はベストコンディションではない」という前提で、日々のトレーニングをすべきだということです。誤解していただきたくないのは、なにも最悪の体調を覚悟する(バリューアットリスク)という意味ではありません。最高の体調で受験できるなんてラッキーはありえない、と思っていて欲しいと言うことです。

つまり、体調がイマイチであることにより、試験本番では

・思ったより能率が落ちる
・思ったより集中力が途切れる
・思ったよりミスをする
・思ったより、感情が不安定になる

ということです。そして上記により、

・思ったよりも焦る
・思ったよりも時間消費が速い

ということになります。

具体的には、日々の問題集トレーニングにくらべて、解答に要する時間は1割増になる、と考えることです。トレーニングで100問を150分で突破できる方は、本番では165分かかると思ってください、ということです。

「本番で時間が足りなくなった」と嘆く方は多いのですが、その多くの方が「本番では時間が1割増しでかかる(その分速く時間が経過する)ということを知らないままに本番に臨んだ方々です。

試験は肉体競技であり、パフォーマンスはふだん(の調子がいい時)よりも下がる、「本番では火事場のナントカパワーでどうにかなる!」という自己期待を、いますぐ捨ててください。そして、問題解答のスピードアップを、今以上に意識してください。


(続く!)


TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師
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