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#519 試験本番は肉体競技です(1)
WBC日本代表チームの栗山監督は、主力・大谷選手のどこがいちばん成長したか?について
「肉体改造」
を挙げておられました。
野手と投手の「二刀流」を貫くためには、大谷さんの日本プロ野球在籍時代にはかなり神経質な身体管理が必要だったといいます。しかし渡米後、肉体を異次元に鍛え上げたため、安心して起用できるようになったということなのです。
たしかに野球はスポーツなので、まず身体強化が先にあるべき。大谷さんが子供の時からマトリックスで目標管理しておられたのはそれだけでも立派ですが、すべては身体能力がなければ実現しない。
今回、日本の後輩選手たちが、大谷さんのパワーを目の当たりにし、村上選手など一部の方は、大谷さんご本人やダルビッシュさんなどに大谷さんの肉体鍛錬・管理方法を尋ねたそうです。
これはもちろん野球の話ですが、われわれが挑む資格試験もある意味、体力が土台になっているところがあります。本番の数時間、集中力を切らさずに、回答要求に短時間でこたえ続けるのは、ほとんどパソコン上のスポーツです。極論するとeスポーツ(ゲーム)のようなもんです。
逆に、資格試験は何「ではない」かといえば、それはもちろん「学問」ではないということです。スポーツトレーニングも科学だろうとか、いや、そういう次元の話じゃない。
われわれが受ける試験は、本番で「考える」余裕なんかないわけですよ。ひたすら飛んできたタマを的確に打ち返す、ほとんど反射スポーツ。
その先の具体的な本番の闘い方はクラスでご伝授しているわけですが、ここで申し上げたいのは、
「スポーツの試合(みたいなもん)なんだから、それに向けてトレーニングして、コンディショニングして、当日にピークを持っていくのは当然」
ということなのです。試験まで1年だとしたら、今日から当日に向けての体調ピーキングを真剣に考えていただきたいのです。それは学習の進捗管理とはちょっとべつ。
試験前日、どう過ごすと、本番で最高のパフォーマンスができるのか?
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その前の1週間、どのように疲れを取っていけばいいのか?
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さらにその前の1かげつ、どのように自分を極限まで追い込めばいいのか?
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さらにさらにその前の3かげつ、どのようにアウトプットのトレーニングをするのか?
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そしてその前の6ヶ月、どのようにインプットしながら基礎体力トレーニングするのか?
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その初日である今日は、どこをどう鍛えるのか?
すごく大雑把ですが、こういう感じで本番から今日に向かって「バックキャスト」するように、計画を立てるのです。
スポーツや中高の受験で、あるいは日々のお仕事で、自律的にこの「バックキャストによる身体訓練・管理」の経験がある方は、よくお分かりのことと思います。
カラダは一人ひとりみな違うので、他人のやりかたはあまり参考になりません。コピペに頼るのではなく、自分なりに「本番をピークにする」方法を、試行錯誤しながら確立していかないといけないのです。
では数回に渡り、そのヒントを差し上げていきましよう。
TAC USCPA講座/草野龍太郎講師