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2023/02/01
成功し続ける方法/511回<「苦しいけど楽しいこと」だけが長く続く(3)>
#511 「苦しいけど楽しいこと」だけが長く続く(3)


「苦しくなくて(ラクで)楽しい」ことを選ぼう!ネットなどではそう呼びかける記事や動画が溢れている。

「楽しい」は絶対必要だ。しかし、そこに「苦しくない(ラク)」が重なると、実は長く続かない。理由は明白だ。それは、【虚しさ】に襲われるからである。

人間の脳の最大のご馳走の一つは【達成感】だ。「辛さを乗り越えて何かを達成した」とき、報酬として脳内物質がドバーっと出る。よくある「来る前はめんどくさいなーと思ったけど、思い切って来てみて、本当によかった〜!」という、アレだ。

この【達成感】という報酬が欲しいあまりに、人類は「辛さを乗り越えて何かを達成」を積み重ねてきた。何万年もの間、累計で1,000億人を超えるホモサピエンスが「ラクではないこと」に取り組んできた。その結果、地球環境には甚大で深刻な被害を与えたけれども、人類全体としては繁栄を謳歌している。

生物の進化に「正しさ」はない。絶滅しなかった遺伝子が生き残っているだけである。ヒトも同じで、「苦しい(ラクではない)けれど」を乗り越えて【達成感】報酬をもらおうとする遺伝子が絶滅せずに生き残った。

その遺伝子は、長く【達成感】を得られないと、【虚しさ】というペナルティを与えてくる。

【虚しさ】は、本当に恐ろしい感情だ。「こんな暮らしを重ねて、それが何になる?」という気持ちに囚われる。こうなると、カラダが脳にいくらエネルギーを供給してもムダだ。むしろカラダまでひたすらけだるくなる。ベッドから起きられなくなる。

「ラクで楽しい」では【達成感】が得られない。【虚しさ】に襲われる。それは善悪の問題ではなく、我々はそういう風にできている生き物だということだ。

逆に「苦しいけど、どうにか乗り越えられそうな気がする」となると「楽しい」と感じる。苦しさを忘れて没頭するチカラになる。

そうです。「【達成感】という報酬がもらえる予感がする!」という気持ち。これこそが、「楽しい」の正体なのです。

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では問題。「仕事が楽しくなる」のはどんなときか?

もう答えは簡単だろう。

・日々最新の技術や情報に接したり、優れた方々との出会いが広がったり、などを通じた【達成感の予感】があるとき

言い換えると「自らのレベルアップ」を実感できるとき。

・「苦しい(ラクでない)こと」に取り組み姿を、同僚や顧客などからリスペクトされ承認されるとき

本人は【達成感の予感】から「楽しく苦労している」わけなのだが、他人からは「よくそんな辛いことを続けられますね、すごい!」と、いい感じで誤解される。

なお、日本では「苦労」に価値を感じる方がほとんどである。よって、この「いい感じの誤解」なしには、自らが提供した価値にふさわしい報酬を得られないことが多い。



上記の2つが満たされていれば仕事は「楽しく」なり、一流のプロへと成長できるのも自明だろう。

逆にこれらが満たされないと、「この仕事は、楽しいんだ!」と自分にウソをつくことになる。「苦しくて、楽しくない」ことは続けられないからだ。

そこで、ズル賢い客や上司は、あなたをうまく利用しようとする。【達成感】ではないニセ報酬を、あなたに与えるのだ。

例えば、あなたが経理の現場などで、陳腐化したシステムやプロセスでの仕事を続けており、「このままじゃまずい」「そのうち破綻する」「いや、すでに破綻している」と思っているとする。ところが客や上司はプロセス改善のお金を使いたくない。そこであなたに「いやもう本当に助かります。あなたは余人をもって代え難い」などと虚言を弄する(お世辞はタダ)。

そう言われるたびに「ほめられた!」「承認された!」「報酬だ!」とダマされると、あなたの脳とカラダは自身の成長もなければ未来もない仕事を続けてしまう。

「これだ!見つけたぞ!これが草龍が言ってた『苦しい x 楽しい』なんだ!」などと信じてしまうのだ。

注意しよう。ヒトは、ニセ報酬に簡単に飛びつく。繰り返すがそれは善悪ではなく、そういう遺伝子が生き残っただ結果が、我々人類だからだ。

そういう我々だからこそ、【本当の達成感】が得られる「苦しいこと」を選んでいかないといけないのです。


TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師
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