TACメールマガジン

 

資格の学校TACTACメールマガジン米国公認会計士バックナンバー

TACメールマガジン 米国公認会計士バックナンバー

米国公認会計士バックナンバー

2022/12/16
成功し続ける方法/506回<もっと「脳を動かす」ためのブドウ糖>
#506 もっと「脳を動かす」ためのブドウ糖


ここ数回連続で、カラダを説得して「習慣的に脳にエネルギーを多くわけてもらえる」ようにするための過程を見てきた。

この習慣さえ手に入れれば、「新しいことを理解して、ストーリーを作りながら覚え、他人に説明できる」ような自分になる可能性が高まる。少なくとも、カラダが脳にエネルギーを回してあげなかった頃の自分とは全然違う「新しい景色」が見えるはずだ。

あと一歩調べる、検索する、聞いてみる、という行動が、「ダルくて面倒」ではなくなる。それだけでも気持ち良さそうじゃないですか?

===

ところで、脳がカラダからわけてもらう「エネルギー」は、何でもいいと言うわけではない。というのも、脳はものすごい偏食なのだ。ブドウ糖しかエネルギーとして使えないのだ。

カラダにとっては「ふざけんな、贅沢言うな」という話だろう。せっかく数ヶ月をかけて、脳のほうにエネルギーを回してあげるわと言うことになったのに、脳が「脂肪ではダメだ、ブドウ糖をくれ」と選り好みするわけだ。腹が立って当然だ。

健康のためと称して「糖質制限」をする方がいる。現代人は、糖質摂取量が非常に多すぎるので、これを適正なレベルまで制限することには大きな意味がある。

しかし、糖質の摂取を0に近づける、と言うような極端な「糖質禁止」を長く続けてしまうと、カラダは脳にブドウ糖を供給することができなくなる。仕方がないので、タンパク質を破壊してブドウ糖を作り出す始末だ(これを「糖新生」といいます)。

運転資本管理に例えて言えば、長期の投資にあてると説明してファイナンスしたお金を、日々の支払いに追われて決済に充当してしまうようなものだ。無駄な経費の支払いではないとしても、それは株主や債権者への裏切りである。だけでなく自分のカラダを損ない、健全性を損ねる。

===

ヒトのカラダも同じである。タンパク質は臓器や筋肉などカラダの構成成分だ。ブドウ糖は摂取しなければほぼ一日で空っぽになる。するとカラダは脂肪をエネルギーにし始める(これは悪くない)とともに、糖新生によってタンパク質を消費していく。

タンパク質1グラムで4キロカロリーのエネルギーになるそうだが、そうこうしているうちに「脂肪を除く体重」が健常時の7割を切ると、ヒトは生命の危機に陥るという。

上記は極端な糖質不足の話だが、日常的に忙しさのあまり食事をおろそかにすることはどなたでもあり得ると思う。けれども、せっかく「脳にエネルギーを多めに分け与えるカラダ」を獲得したあなたなら、その大事なカラダを裏切るような食生活は、心して避けるべきだ。

適切な量のブドウ糖をしっかりと摂取し、脳が十分に働けるようにしてあげること。もちろん、タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルの栄養を摂ることもおろそかにしてはいけない。.....などと書くと、「なんだよ、平凡なオチだな」とお叱りを受けそうだけれども、栄養管理には王道あるのみ。奇策は必要ないのだ。

You are what you eat.
(あなたはあなたが食べたものでできている)

食事をおろそかにして時間(とお金)を「節約」した先には、「他人に貢献し続ける自分」など、決して存在しない。



TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師
TACメールマガジントップへ
資格の学校TACのご案内