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2022/10/05
成功し続ける方法/496回<経理部門の業務時間短縮(時短)戦略(8)>
#496 経理部門の業務時間短縮(時短)戦略(8)


あなたが率いる経理部門の《時短》。本気で取り組むなら、まずは、あなたの部署を「ほんとうに」仕切っている方々とじっくりとサシで話し合う。そこから始めなければいけません。

え?あなたご自分が仕切っているって?そう思い込んでいるようなあなただから、部下さんは「面従腹背」、どなたもついてこないのです。

あなたが(これまでの前任者さんたちと異なり)、「自分がほんとうに仕切っているわけではないことを、よーくわかっている」という謙虚な姿。そこを、部下のみなさんに見ていただかなければなりません。

そのためには「チームの秩序をほんとうに取り仕切っている方と、1on1で話すこと」です。

誰が本当に仕切っているのかがいつまで経ってもわからない、と言うような、リーダーの資格に欠ける事は、あなたにはないはずです。

ーーー

では、「ほんとうに仕切っている人」と話し込んだとしましょう。あなたはかならずテストされるはず。

「《時短》を進め、プロセスを簡略化した結果、何かあったときには、誰が処理するのですか」

ここでその方に「そこは皆さんが知恵を出して乗り切ってください」などと言ってしまえば、この話し合いは終了です。あなたはこれまでの《えらい人》たちと変わらない、ただ丸投げするだけの人とみなされる。

また、これもダメなのが「何かあったら私がすべて責任を取ります」という空虚なことば。

あなたがその企業のオーナーだと言うのなら別ですが、組織の一員である以上、「すべて責任を取る」なんてことができるはずもない。その事は、メンバーだってよーくわかっています。

そもそも、あなたに責任なんかを取ってもらったところで、メンバーさんの被害が軽減されるわけではありません。

ですから、ここで改めて宣言しましょう。《時短》は、これまで会社がメンバーに強要してきたムダの削滅、それだけに徹すると。いいかえますと、経理チームのプロセス簡略化によって影響が及ぶのは社内だけにとどめる。もっと言うと、影響は役員や上級幹部だけににとどめる。

例えば、

・役員向けの「報告」。紙に印刷するのをすべて止める。オンラインで共有し、質問あれば役員からメールする。「時間をいただいてのご説明」も行わない。

・役員の会議の「資料」。これも印刷しない当日も画面に投影する。事前にオンライン共有はするが、修正すべき点があれば、会議のその場で訂正する。

などを断行すると約束して、実行するのです。

ーーー

もちろん、役員や上級幹部の中には、あなたが進めるこのような施策にもう反対してくる方が違います。私が経験したのは、紙の資料の廃止に対して「自分は役員になってから資料を全てきれいにファイルしてきた。それが途切れる事は耐えられない」との事でした。結局その役員さんはご自分の秘書さんに経理資料をプリントアウトさせファイリングを続行されましたが、数ヶ月後には改選されませんでした。

日本伝統企業(JTC)で《時短》改革の責任者を引き受けるときには、あらかじめ、社長と握らなければなりません。このような反対役員は必ず現れますので、かれらに決して従わないよう厳命したと社長が全役員に言っていただくことです。

もちろんJTCでは、役員たちは「どうせ自分が凄みを聞かせればなんとでもなる」とタカをくくっています。そうです、役員さんたちも基本は内部昇格ですから、そのレベルまで「面従腹背精神」が浸透しているのです。社長がそこを断ち切る姿をメンバーに見せなければ、メンバーたちは決して本気を出して「面従腹背」をやめようとはしません。

逆に言えば、役員や上級幹部の「不便」を伴うような《時短》改革をすれば必ず「反対派に対して『面従腹背』を許さなかった社長の姿」を、社内にアピールすることができるわけです。反対派にはそのための役を演じていただくわけですね。


(続く)


TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師
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