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経営部門の「時短」をみなさんがリードするときは、まず最初に、これまで「ゼロリスク主義」が職場をがんじがらめにしてきたことをお詫びしましょう。
別にあなたが悪いわけではありません。そもそも、職場の「空気」をあなた一人で作れるはずもありません。だからこそ「謝る」ところから始めるのです。その後がかなりラクになります。
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「ゼロリスク主義」が支配しているのは、あなたの職場だけではありません。地域でも、学校でも、遊びのグループでも、そして家庭でも、「ゼロリスク主義」が君臨しています。
なにか新しいことをしようとする方や、逆にこれまでマストだったことをしない方に対しては、
「それで何かあったら、一体どうするつもり?どうもできないでしょう?」
と咎め(とがめ)なければいけない。それは要するに「新しいことはやめなさい/これまでのことをやめてはいけません」と言っているのも同然です。
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ここで《経理部門の時短》から少し話はズレますが、資格試験を受験する方々も、「ゼロリスク主義」の方がとても多いんです。
「聞いたこともない新しい論点が出題された!とネットで見ました。私の受験時にそんな問題がでたら、どうしてくれるのですか」
そうおっしゃる方が一定数おられるわけです。
しかし、アメリカのコンピュータベース試験で、「ゼロリスク」を求めるのはまず不可能です。というのもご案内のとおり、試験出題側は意図して「受験生が見たことも聞いたこともない問題」を投げ込んでくるからです。
わざわざそんなことをする理由は、「ニュータイプ問題を、大部分の受験生が解けないこと」を確認するためなんです。そうすることで、「既存範囲の問題」のクオリティを維持することができるからです。
ですから、受講生さんは「ゼロリスク」を追究するよりも、とにかく基礎的な論点(草龍用語だと『74点論点』)のご理解を確実にしていただきたいのです。
USCPA試験は、統計技術を駆使したうえで「基礎的な問題を取りこぼさない方を合格させる」という試験ですよ、新奇な問題一題にやられてしまうことはありません、とご説得するのですが、、、「ゼロリスク主義者」の方には、なかなか通じません。
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これと同じことがあなたの職場で起きます。あなたが「これまでのゼロリスク至上主義は間違っていました。ごめんなさい。今日から改めましょう」とお詫び・お願いしても、従業員の皆さんには、まったく通じないと思います。
通じる通じないの前に、あなたが「時短のために、ゼロリスクはやめよう」と言い出したことに半信半疑、それどころか「ゼロ信全疑」に違いありません。
まずはあなたが本気でお願いしていると信じてもらわないといけない。そのために「謝るところから始める」のです。詫びるくらいに本気なんであると。
で、「どうやらこの人本気で言ってるらしい」となったら、いよいよ経理チームメンバーのみなさんの怒涛の反論が始まります。まずは部下の皆さんの「ゼロリスク主義」と闘わなければならないのです。
TAC USCPA講座 / 草野 龍太郎 講師