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2022/07/13
成功し続ける方法/486回<だから英語「も」話せないのだけど、別にそれでよくない?>
#486 :だから英語「も」話せないのだけど、別にそれでよくない?

英語を話せるようになりたいですよね。レア人材になりたいし。

ただし、草龍はいつも「母国語(日本語)が使えないなら、外国語はまずムリ」と申し上げています。

「日本語が話せる」ではありません。「使える」です。

日本語を母国語として、日本語を「話せる」人は多いですが、「使える」方はあまり多くありません。それが、日本人が英語(外国語)ができない理由のひとつだと思います。

言葉を「話せるだけ」の方々は、すでにここまで書いてあることも、何を言いたいのかわからない。

一説によると、過半数の日本人は、五行より多い文章を読んでも意味がおわかりにならないそうです。言っておきますが、それは優劣ではなく個性です。

おそらく日本人だけでなく、人類80億人が「そういうもの」なのでしょう。優劣ではなく個性。足の速さとか、歌のうまさとかと同じ。

で、言葉を「使える」少数の方々はどういう能力があるのか?それを英語教育家の上田千代丸(*)さんに伺いましたら、下記の2つだけだそうです。
*参考:ちよまる式English Quest

1、 ものごとを、具体的な言葉で「描写」できる
(絵や図で説明するように、言葉で説明できるということ)

2、 難解な言葉を、簡単な言葉にいい換えられる
(パラフレーズ)

千代丸さんによると、この2つが揃っている数少ない人は、日本語が「使えて」おり、英語「も」使えるようになる可能性が高いそうです。

逆に、大多数の日本語が「使えないけど話せる」という方々は、

1、物事を具体的な言葉で描写できない
「なんかー、超ヤバくてー、なんかー、怖くなーい?」「わかるー」のような表現の一番の問題は、幼稚であるというより、過度に抽象的なこと。

2、難解な言葉を簡単に言い換えられない。
職場で無理矢理「大人の言葉」を暗記させられて、それをナマ煮えのまま乱発する。「齟齬がございましたら」「させていただけますと幸いです」.....

要するに、殆どの方は「相手にわかってもらうにはどうすればいいか」と考えていないのです。

また、相手が何言ってるのかをわかろうとも思っていないのです。大事なことは、とにかく「わかるー」と相槌を打つこと。

会社ならこれが「本部長のおっしゃる通りでございます」「質問は特にございません」になる。

そもそも日本では、相手が同意「しない」ことを前提にしていない。そんなヤツはムラにいないはずだし、仮にいたら村八分にしてる。

まして「議論」なんてとんでもない。相手の意見に反対するだけで、相手の全人格を否定したことになる。

日本語は「使う」言語でなく「話す(うなずく)」言葉です。実際、職場や地域や家庭で言葉を「使う」人は、たいてい煙たがられるよね。

皆さんも、転職して来られた「優秀な」経理さんに警告したりしませんか?

たとえば職場で同僚の間違いを発見してしまったとき、「あっ!間違い発見!ここが!これこれこう違う!!!」って具体的に間違いを指摘したりすると、入社早々に100%ムラから嫌われる。。。

同僚が気を悪くしない「抽象的な話し方」で、修正をしてくれたら幸いですと以心伝心を祈る。これが「ウチの経理部ムラ」で生きていくための第一歩なわけですよね。

・・・・・・

繰り返しますと、日本語は「使う」言語でなく「話す(うなずく)」ためのことばです。

その点、日本語以外の多くの言語は、他人とは「言葉」を駆使しないとわかりあえないという前提のもとで「使われる」。

英語を話すためには、まずは母国語である日本語を「話せる」から「使える」にトランスフォームする必要があります。しかしこのギアチェンジをしてしまうと、職場ムラで浮いてしまうおそれがある。そんな危ないことはしない。

ということで、母国語すら「使えない」ようにロックしているのにいくら英語の勉強をしても、読むことはできても、話せない(なんなら書くこともできない)のです。

ついでに言うと、話せないものは聞き取れないです。リスニング特訓だけやってもむだです。

結論は、日本で活躍していくことにキャリアを賭けるみなさんは、レアキャラクターを目指すにしても、英語を「話せる」を目指すのはおやめになった方がよい。

それは日本語を「使う」人材になってしまうことを意味し、あなたのドメスティックな活躍にプラスにならないかもしれないからです。


TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師
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