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#485:ぼくにはチャンスが回ってこないんですという人
「どうですか、新しいこと、始めませんか?」と、何度かお誘いする度に、「いや、大丈夫です」と断る方がいる。そういう方々は、結構多い。
なぜやらないのか伺うと、新しいことを始めることによる失敗とか、初期段階の苦労とかが嫌なのだという。確かに近年、失敗した人を嘲笑う風潮は強まっている。
これだけ情報が溢れているのだから、失敗するのは情弱だからだ、とバカにされる。
子どもの時から、良くも悪くも決して「目立たない」こと、「みんなと同じである」ことに全力を注いできた方々なので、「新しいことに手を出して、失敗したり苦労したりして、笑いものになる」というのは、ダメ絶対でしかないのだろう。
笑われないのはいいのだが、問題は「成功」もしないかもしれないこと。
実は「成功」は「確率」である。とにかく何度も試行しているうちに「当たる」。だから何度も失敗しないと「成功」はほとんどしない。
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言い換えると、チャンスや運が「回ってくる」人というのは、とにかく何度も何度も施行している人なのです。
試行を重ねる
↓
何度も失敗する
↓
(試行しない方々から)笑いものになる
↓
そのうち「当たる」
↓
(試行しない方々から)僻まれる。「あいつは散々失敗したくせに」と言いふらされる
という感じですかね、日本では。
で、皆さんも子どもの頃からの「絶対にハブられないため」の行動原理にしたがって、その「当たった」人への嫉妬や足引っ張りに、同調する。しないとイジメられちゃうからね。
チャンスや運なんか回ってこなくていい、というか、むしろそんなの回ってくると迷惑。今のままでも、物価は安いし、仕事は終身雇用だし。わざわざ新しいことに手を出して恥ずかしい苦労しなくても、問題ない。
「回ってくる」機会を捨て続け、「回ってきた」人をdisり続けていれば、それで安泰。
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ところが、最近、そういう方から「草龍さんはいいですよね、運が巡ってきて」というぼやきを頂くことが増えてきた。
あれ?昔から散々ぼくの足を引っ張ってましたよね.....?もしかして、ひょっとして、永遠に物価が安いとか、終身雇用で安定とか、そういう時代になにか変化があったのかな??(笑)
いや、他人のことはいいです。草龍だって、何度もみすみす機会を逃している(と、見る人が見れば思う)のだろうな。さらには「回ってきた」チャンスを草龍の準備不足でものにできていないことも、多いんだろうな。
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チャンスや運は、何度も何度も試行して初めて「回ってくる」もの。ただ、そこで勘違いしてはいけないのは、回って来さえすればあとは上手くいく、という思い上がりです。
「回ってくる」のはサプライズや偶然かもしれない。ただし、あくまでそれは最初のステップ。
それに続く次のステップに進まなければ意味がない。それができるかどうかは、「回ってきた」チャンスを「活用する準備」が出来るかにかかっている。
ということで、まとめてみよう。
・わたしは昔から、チャンスや運なんか回ってこなくて結構、と思ってきました。
・しかし最近、わたしたちがずっと『意識高いね〜www』とバカにしてきた人たちが、急に遠くへ離れて行きました。
・そうなると、わたしだけチャンスや運が回ってこないことが許せなくなってきました。
・遅まきながら、これからは積極的に「とにかく打席に立つ」ことにします。周りの人たちに「どうしたの急に笑」とバカにされても気にしません。
・そして、チャンスや運が「回ってきた」時にそれをつかんで「次のステップ」に進めるように、準備も始めておこうと思います!
素晴らしいです!「遅まきながら」なんてことはありませんよ。今日は、これからのあなたの人生の最初の日です。
今日始めれば十年後には「始めて十年記念日」ですが、始めなければ「十年前に始めていればなあ」です。今日は過去の結果、今日は未来の原因ですよ!
TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師