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「会計士で」「大企業監査経験豊富で」「英語もできる」という方がかなり増えました。20年前のビッグバンのころを思えば、実に喜ばしい。
中にはTACでともに学んでくださった方々もいるわけで、僭越ながら誇らしい気持ちもあります。
20年前は、「英語もできる会計士を目指す」というだけで、周りから「はあ〜?」と思われることもありました。
当時すでに、円高対策で国内産業の空洞化が進み、なおかつ「産業のコメ」といわれた半導体も韓国などに劣勢になり始めておりました。
しかしヒトはなかなか危機感には目覚めません。まだまだ「ジャパンas No. 1」信仰にとらわれている方が殆どでした(2022年の今でもかなりおられるくらいですから)。
そのへんの同調圧力をバッサリ振り切って、新しいバリューの獲得に賭けた方々。勇気をリスペクトします。
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しかし今や、そういう方々が増えてこられた。ということは、その母集団に入ると「突き抜ける」ことが難しくなったのも事実かと思います。
ということで、データアナリティクス分野にポジションを取る方々が出てきていますね。現にUSCPA試験のビジネスという科目でも、その分野から出題されるようになりました。
会計x英語xデータ、まさに2022年のリアル・レアキャラ(希少価値の高い方)です。
これを読んで、皆さん「は?データサイエンティスト??経理のわたしが〜?」と思いましたよね?それと同じことを、20年前に今の皆さんのスペックを目指すと、周りから思われていたんです。
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自分が勝負する分野は大事だな、と思います。試験範囲でもある「企業戦略」によると、優秀なライバルがひしめいているフィールドに参入するなら、自分がレアキャラでなきゃダメよとありますね。
また「競争戦略」でも自分の強み、コアコンピタンシーを磨き上げて活かすようにしましょうねと説いています。
さらに「ミクロ経済学」では、自分の代わりがいくらでもいる状態だと、「需要の価格弾力性」が高くなる(つまり、こちらが少しでも何かを要求すると、お客様や上司さんから『あなたには頼みません』と切られる)と教わります。
周りの前世代の方々(ご両親を含む)が、「こういうヒトがレアキャラなのだ」と思い込んでいるキャラクターは、実はすでにコモディティーなのかもしれません(昭和歌謡みたいなもんでしょうか…それは逆に新しいですね)。
もしもあなたの職場がまだ「前世代のレアキャラ信仰」につつまれているとしたら、それは嘆くべきことでもないかもしれませんよ。
あなた個人にとっては、マジョリティに一歩先んじて「データが分かるレアキャラ」になる、大きなチャンスかもしれないからです。
TAC USCPA講座 草野龍太郎講師