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#483:レアキャラなら価値がつく可能性がある
「大企業使用人」がレアキャラの時代があった(使用人は会社法などによる呼び方)。
日本財閥系などが、資本(株主の一族)と経営を分けて、役員および使用人は学歴などで選り分けて採用していた。これにより、「いい大学卒」も憧れのレアキャラとなる。
しかし、戦後日本は、国民全員が「結果平等」でなければおかしい、というハイパー民主主義に突き進んだ。
熱い親心「自分の子どもは自分のように苦労させたくない」という民意をうけて日本中に「大学」が量産され、学年の半数が「大学卒」になるまでになった。
「大学さえ出れば、レアキャラになれるはず!キレイで涼しいオフィスでパリッとスーツ着た<<えらい人>>になれるはず!自分のように人に頭を下げることもなく、パワハラ顧客からイジメられることもなく・・・」
こうして、ここ数十年間は、日本史上はじめて、「働く」イコール「会社の使用人になること」という時代になった。
これは、国にとってもハッピーな話で、会社に源泉徴収義務を課すことにより、勤労者の圧倒的多数の所得をほぼ完全に捕捉できるようになったのだ。
(参考までに、江戸時代までは商工業の方々には所得税が殆どかかっていなかった)
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しかし、「圧倒的多数」が(大卒の)会社使用人になれば、憧れのレアキャラがコモディティになってしまう。
そもそも考えてみれば、「大卒でなければできない高度な業務」がそんなにたくさんあるはずがなく、大企業はあっという間に「社内失業者」だらけになった。
いわゆる「ウインドウ2000問題(ウインドウぎわで何もしないけど2000万円もらってる人の存在が、若い人を不快にする)」
何事も需要と供給の関係なんですよね。「みんなと同じ」を選択し続けていると、何が起こるか?
というか、なぜ自分には何も起きないのか?
TACが長年提携するベッカー社のUSCPAテキスト。「ビジネス」の一節に、こうある。
「ミクロ経済(つまり「需要と供給」)を理解することは、USCPA対策に重要であるばかりでなく、上級マネジメント職を目指す皆さんのキャリアそのものにも役立つと思いますよ」
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供給が多い(つまり自分の代わりがたくさんいる)コモディティになると、
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需要の価格弾力性が増大し、
↓
少しでも価格(勤務条件なども含む)を上げたら、需要される数(勤務先からの評価と言い換えてもいい)がどどーんと減る。
「リモートワーク続けたい?なに言ってんの??そんなワガママ言うなら【あんたの代わりなんかいくらでもいる】んだよ!」
やはり【自分みたいなヒトはほとんどいない】というレアキャラを目指すのがいいように思います。
こういうと必ず「わたし、もう手遅れです」と仰る方々がいる。
仮に10年前に「脱・コモディティ」を始めていたら、今は「レアキャラ化を努力して10年経った」日でしたよね。
30歳で始めなかったから、コモディティ40歳になつてしまった、と言う方。同じ過ちを繰り返しさえしなければ、50歳になったときにはレアキャラかもしれないよ。
今日のあなたは、ひょっとしたらコモディティかもしれないけど、間違いなく「これからの人生でいちばん若い」です!
張り切ってレアキャラ目指そう!
TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師