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2022/05/26
成功し続ける方法/479回<「成果なんかより、やっている感」の組織に慣れてしまった人たち>
企業の経理チームなどで「中間管理職ジョブ」を任命されている読者の皆さん。

皆さんは部下さんに「業務指示」をしっかりしておられると思います。また、皆さんご自身も上司さんから「業務指示」されたことがおありでしょう。

そして、それは大変な幸運なんですよ。皆さんのご勤務先はこれからの時代も生き残れる可能性ありますし、何より皆さん自身が他社に移っても戦えそうです。

「管理職のスキル」はポータブルですからね。

そもそも皆さんは、わざわざ資格試験に挑もうと思うほどの方々です。「がんばったかどうか」なんでどうでもよく、ただ試験本番の解答だけで判定される世界。

とにかく「成果」を出すためにどうすればよいか、それだけを追求しておられますよね。

でも、皆さんのような方々は、今やマイノリティなのかもしれません。【成果より、がんばっている姿勢こそが大事」という企業さんは、驚くほど多い】のです。。。

(草龍にいまさら言われなくても、皆さんご存じですよね。)

「成果よりがんばり」「業務指示」がなされない会社は、とても多い。そのかわり重視されるのは「業務に臨む精神・姿勢」。

・返事はハイかYES、とか

・17時をすぎてからが仕事本番(定時に帰るとか時短勤務とかもってのほか)だとか

・もちろん土日のどちらかは数時間は出社する(その際カジュアルウエアでいいけど短パンは失礼にあたるからやめろ)とか

信じられないかもしれませんが、上司さんが「業務指示」でなく「姿勢指導」するんですよ。一生懸命にやりなさい、とか。

で、うまくいかないときやトラブったときも、上司さんは「うまくやれ」「こちらの努力感がお客に伝わってないんじゃないか」など。

それよりもどうやって収拾するかが大事なはずなんですが。。。

上司さんが「業務指示」をせずに「態度」「姿勢」「がんばり」を「指導」するような組織文化のもとでは、当然ながら部下さんたちも「見え方」を優先するようになります。

そう、こういう組織では、「やってる感の演出」「姿勢の演技」自体が日常のメインになってしまうんです。

言い換えますと、全社を挙げて、【ご自分やチームの「弱み」を隠すことに大部分の時間を使っている。】

大袈裟だと思われますか?

近年、組織的にデータ改ざんを続けてきた企業さんが、どんどん内部告発されておりますでしょう。

不正の隠蔽とまでは言わないまでも、従業員さんが「演技」にばっかり集中している。

四季さんやシルクドソレイユさんじゃないのに、評価も、成果より演技力の比重が高い。まさに劇団企業。

ただ「役者」の皆さんの気力体力には自ずと限界がある。上位者などに対する演技に全力を振り絞るあまり、同僚や後輩に対する演技をサボってしまう方々が多い。

このため「あんなに評判悪い人が、演技力だけで昇格するのか」「許せないからハラスメントで訴えよう」という事態が、後を絶たないわけです。。。

「偽善者も、誰からも一生バレなければ善人」という言葉がありますが、360度気を配って一分の隙もみせずに演技を続けられるのは、 本当に一握りのタレントだけなんですよね。

こういう方々はほんとうに<<偉い人>>になります。

そして、そういう方々が昇格する組織は、もちろん衰退します。過去の日本のように社会全体が上りエスカレータに乗っていた時代は、何もしなくても上がっていきました。

しかし今は日本社会全体が下りエスカレータの上です。

読者の受講生の皆さんに声を大にして申し上げたいことは、皆さんはマイノリティだということ。

「がんばってるかどうかよりも成果」

「成果を出すために、姿勢の指導より業務指示」

資格受験と同様に、普段のお仕事でもコレを貫ける方は、本当に希少なのです。

皆さん、ご自分の価値を、決して安売りしないでくださいね!



TAC USCPA講座 草野龍太郎 講師
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