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■起業して成功している経営者さんが仰っていた。
「成功の必勝法を聞かれることがある。でもね、そんなのがあるなら私が教えて欲しいよ(笑)。
「必ず失敗する方法」はあるよ。たとえば、
・経営者が起業したときと違って仕事をしなくなる。
・経営者が遊び回っても「これも仕事のうち」「人間関係作り」と正当化し出す。
・見込みないのに他の会社を買って「シナジー」と正当化する。
・ゴージャスなオフィスに引っ越して「従業員のモチベーションが」と正当化する。
人は性悪なのではなく【性弱】なんだ。「動機」「対象」「機会」そして「正当化できそうな理屈」、この4つが揃えば、人は必ず転落する。
だから従業員が悪事に落ちないように内部統制しなきゃいけない。そして、経営者自身が墜ちないように360度から見張ってもらわないといけないわけ。
てことで、経営の要諦(ポイント)は、
どんな「優秀な人」にも「必勝法」はなく、その代わりに「必敗法」が待ち構えている。
という事実を早く知ること、これにつきる。
まあ、それをアタマでなくハラで学ぶまでには、大失敗を何度もしないといかないんだけどね!」
以上、経営者さんのお話でした。
■「名医」と呼ばれている先生に伺いました。
「いい医者の条件って、どんなものを連想しますか?
何でも一人で診断できて治療できるドクターが名医?そんなブラックジャックや大門未知子みたいな医者はいません。
研究者として一流であることが、患者さんへの診療で一流とも限りません。
ですから、「いい医者」は、「自分の苦手なことは何か」を知っていて、それを「その分野が得意なひと」に任せられる人なんです。
これは医師に限らないかもしれませんね。
ある病気の治療には大変詳しい「名医」でも、苦手な症状の患者さんはよその病院やドクターに紹介する。これが本当のの名医です。
素人は「無責任な医者だ」「専門バカか」などと思うでしょう?でもよく考えると、それができるというのは「この症状ならどの病院の誰に紹介したらいいか?」を知り尽くしているということなんです。
それは「苦手な治療を自覚して、ムリに自分でやろうとせず、その治療が自分より優れた医師に迷わず送る」という方針で積み重ねてきたからです。
もちろん、他の先生から自分の得意分野を任されたら患者さんを引き受ける。
どこの業界も、専門性があまりに高くなりました。なんでもワンストップで解決できる人などいません。
自分の得意を磨き、自分の苦手を知る。苦手を克服するヒマがあったら、それが得意な方々との信頼関係を結ぶ。そして相互送客する。
この病は誰に依頼するのが望ましいのか誰に任せればうまく解決してくれるのか、そこまで知りつくす。
つまり現代のプロの条件は、
・同業者コミュニティによく通じていること。
・自分の得意分野での凄さにより、そのコミュニティで一目おかれていること。
・業績だけでなくコミュニティでリスペクトされていること。これは人柄やコミュ力、利他の精神、そして(ここは日本なので)年齢層などが必要。
・そうすると他の先生との連携がうまくいく確率が高い。
・それでいて慎み深く、自分の力量を勘違いすることは決してない。
こんなとこですかね」
以上、名医に伺いました。
■お二人の話に共通していること。それは、
「仕事できない人とは、自分の【弱み】を自覚せず、苦手な分野で勝負に出てしまう人」
ということかと思いました。
皆さんも参考にしてください。
直近の試験攻略にも活かせますよ。満点を取る必要はないため、苦手分野では「不合格にさえならなければいい」と割り切り、得意分野を磨く。これにつきます。
そして合格後のキャリア形成にも、活かせると思います!
TAC USCPA講座 草野龍太郎 講師