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この世の「もし成功したらものすごく価値があること」のほとんどは、とにかく10回20回30回...と「打席」に立ち続けないとうまくできない。そういうようにできている。
「自分は才能がない」と嘆いて、親のせいなどにしている人。そういう方々の多くは、「打席数」が圧倒的に足りないと反省するべきだ。
何回も何回も本気でトライするとようやく1回ヒットがでる。何打席目で出るか、その辺はかなり運だと言っても良い。
そのくらい確率が低いからこそ「成功したら価値がある」のだ。
ということは、重視すべきは試行回数である。何度失敗しても立ち上がれるかどうかが大事。
つまり、成功している人は単にたくさんの回数トライしているのである。そこに「親譲りの才能」は関係ない。
というか、成功するまで何回も真剣に打席に立ち続けられることこそが「才能」なのだ。
その点、成功しない人は、なんとか2〜3打席で成功しようとしている。口ぐせは「コスパ」「タイパ(タイムパフォーマンス)」だ。
とにかく「失敗をし続けない」ことに全力を注ぐ。3回くらい失敗すると、もう打席に立たない。それ以上続けることを「頭が悪い」とバカにする。
それも仕方ない。子供のころから、「成功とは失敗しないこと」「失敗する奴はダメ」という勘違いを刷り込まれてきているのだろう。
実相は、数多くの失敗の先にしか成功はない。失敗を否定したら、何もできない。
これは資格取得だけでない。起業、会社再建、地域再生などなど、本当によくある話である。
失敗を完全否定しつつ、他人が(失敗を重ねた後の)成功事例を取り上げては、「自分なら次の打席一回で同じ成功が手に入る」などと根拠なく自信をもつ。
勿論「次の打席一回」などではうまくいかない。そうすると「効率が悪いのはイヤ」とやめてしまう。
成功したい→そのためには「失敗してはいけない」という考えに取り憑かれた方々が、自分自身の成長を妨げ、それだけでなく他人のチャレンジも阻害する。
会社や地域や家庭での様々な挑戦を潰している。
伸びる人、伸びる組織には、共通の「必殺成功術」などがあるわけではない。ただただ、「失敗との向き合い方」が、伸びない個人や伸びない集団と異なるのだ。
「とにかく打席に立ち続けることをよしとする」
「成功するまで打席に立ち続けることをよしとする」
そういう環境に身を置けるかどうか。これからの劇的な不景気をサバイバルするためには、とても大事なことだと思う。
TAC USCPA講座 草野龍太郎 講師