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461: ヒマだからジェラシーする人たち
1970年代から80年代にかけて。読者の多くはまだ生まれていなかったと思われるその昔、新聞や雑誌などでこんなことが盛んに書かれていた。
「日本は世界に冠たる先進国であり、日本人は(隣の中国などと異なり)とても豊かになった。
しかし我々はおごっている。
心をどこかに置き忘れている。
それに引き換え。途上国の若者たちは、貧しいが目の輝きが違う。
日本人は経済的繁栄と引き換えに大切なものを失ったのではなかろうか。」
そんなことがやたらと書かれ続けて4〜50年。「ジャーナリスト」さんたちの望みどおり、日本は元通りの貧乏国に戻った。
しかし、だからといって人の目は輝いていないように思える。そんな2022年の始まりだ。
エンドレスに長引く停滞感。それをスカッと忘れるために
「世界を変えよう!」
「一緒に新しい世の中を創っていきませんか!?」
と主張する方々が、ここ数年増え続けているのもやむを得ない。
草龍は経験上、そういう方々が実際に「世の中を変えた」例を見た事がない。
おそらくそういう方々は、ご自分に都合の良い環境を作りたいだけなんじゃなかろうか。
ズバリはっきり言えば、何回チャレンジしても合格できないから「試験システムを変えよう!」と叫んでいる、というのに似ている。
モテる人は、上手くいかない時は自分を変える。らしい。
負けない投資家は、上手くいかない時はポートフォリオを見直す。らしい。
それは「謙虚」ということだ。上手くいかないときに「他責」しても意味がない。「自責」してポジティブ・プロアクティブに自分の戦略を変える、それしかない。
逆に言うと、「傲慢」であること、「他責」しかしないで自分のやり方に固執することこそ、失敗の原因なのだ。
モテない・合格しない・資産を殖やせないことの原因なのだ。
草龍はモテたこともお金もちになったこともないけれど、少なくとも合格はした。USCPA試験に対しては徹底的に「謙虚」だった。ここだけは自信がある。
(自分の過去と)他人は絶対に変えることはできない。変えられると思うことが「傲慢」だ。
変えられるのは自分自身の未来だけである、と「謙虚」になる。そして、自分を変える。
そのために、自分が「自分1人でも」「今日いますぐ」始められることを始める。そのために、やめるべきことをやめて時間を作る。
この機会に力説しておきたい。いちばん最初にやめるべきは「ジェラシー」だ。
我々の多くは、幼いころから「我慢しないと将来苦労する」と刷り込まれてきた。
そして「我慢していない人」を見ると「将来苦労するぞ」「失敗しないはずがない」と呪いをかける。
ところが最近、我慢しないで自分を変えることに専念する人が増え始めた。金銭的に成功しているかどうかは別として、そう言う人たちはどう見ても楽しそうである。
そこで、子どものころから何十年も我慢している人たちは、
「我慢している私たちがまったく楽しくないのに、我慢していないあいつらは楽しそうだ」
とばかり、「他責」「他人の足引っ張り」に貴重な時間とエネルギーを割くようになる。
自分が変わることなど考えもせず、ただただ他人が変わろうとすることを阻止しようとする。
2022は、この「我慢していない人へのジェラシー」をやめましょう。それだけで、驚くほど楽になります。
どれだけ自分の体力を「我慢してない他人へのジェラシー」で損なっていたか、ジェラシーをやめてみるとわかります。
そうしてラクになると、自分を変える余裕ができる。自分を変え始めると、どんどんそのことに忙しくなる。そうして他人にジェラシーするヒマとエネルギーがなくなる。
そんな好循環を、「自分一人で」「今すぐ」始めましょう!
TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師