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458 悲観は気分、楽観は意思
タイトルの言葉は、草龍がとても大切にしている言葉の一つです。特に「楽観は意思」は、このコラムのキーコンセプト<<ステイ上機嫌>>にも通じます。
リモートワークの間、「職場で不機嫌を武器にする人」と同じ空気を吸う機会が激減しましたよね?というか、リモワになって初めて、
「不機嫌を武器にしている人が職場に(何人か)いたんだ」と気が付いたのではないでしょうか。
負の感情「悲観」「不機嫌」を振りまく人と、席を同じくして数時間働く。忘れていましたね、このイヤーな、非生産的ムード。
残念ながら、リモワ定着は、ザ日本ムラではやはりムリでした。再び通勤と集団定位置労働の日々が戻って来ましたね。我々経理パーソンの職場は特に、長時間同じ空間を共有します。
そういう場所では、「意思」によって「楽観→上機嫌をキープ」することが、強く求められるのです。自然に任せていてもそうはなりません。
しっかり「意図して」「意思のチカラで」「コントロールして」、みんなで上機嫌をキープしないといけないのです。
エントロピーという言葉をご存知ならわかると思います。「自然」とは、エントロピーが増大すること。つまり、とっ散らかることです。
きちんと片付いている=エントロピーが小さい状態は、「不自然」であり、「人為」なのです。
「悲観」「不機嫌」を振りまく方は、要するに「自然児」なわけです。そのやり方で、子どものころから生き抜いてきた。
「自然に」「ありのままに」負の感情エネルギーを発すると、「周りの人たちがすぐになんとかしてくれる」いう成功体験を積み重ねて来られた方々です。
彼らナチュラルな不機嫌戦士たちの勝ちパターン戦略は、彼らの要求をけっして具体的に言葉にしないこと。ただ不機嫌に振る舞う。
それが成立するための絶対必要条件は、そうです!その方々の不機嫌を<<察して>>、<<空気を敏感に読む>>方々が、周りにたくさんおられることです。
不機嫌という武器に直撃されて、具体的要求をせずとも自発的に解決してくれる同僚と、物理的に一緒にいるということです。
だから、「悲観」「不機嫌」の方々は、リモートワークでは困っちゃうわけですね。色々もっともらしく理屈をつけて、リモワ定着を阻止します。
みなさん、今こそ職場で断固たる姿勢をとりましょう。彼らの武器「不機嫌」を、決して<<察してあげない>> <<読んであげない>>ことです。
要求があるなら、不機嫌によって我々を操作するのでなく、具体的に何をどうして欲しいかコトバにしてくださいと言いましょう。
おそらく子供の頃からそんなことを言われたことがないので、かなり驚かれるとは思いますが、人前で、不機嫌な態度や、嫌そうな空気を醸し出すことは、幼児でない限り違反なのだと教えましょう。
職場で、腫れ物のように気を遣って欲しいと同僚に強要するのは、部署の生産性を下げ、業績を悪化させ、我々経理部門だけでなく全社の不調につながります。
繰り返しますが、不機嫌は「自然」であり、そのまま発露するのは、要するに怠慢なのです。
ちょっと思い切って超わかりやすい例えをしますと、ワークスペースで排泄するようなものです。赤ちゃんは仕方ないですね。
でも成長したらトイレに行きますよね?それと同じです。不機嫌になるならトイレの個室に行ってくださいってことです。ワークスペースで排泄する人はいません。
そうそう、昔は多くの方が自席でタバコを吸っていました。でも今は(排泄と同じように)隔離された喫煙場所でないと吸えなくなったわけです。
ということはそのうち不機嫌も同じで、会社が不機嫌コーナーを用意することが義務つけられるかもしれません笑。
そこには大声(怒声)を出せる防音設備が完備され、さらに思い切りパンチできるとか、なんならお皿を割りまくれるとか、・・・いや冗談ではないなこれ。
まとめです。
上機嫌をキープするのは「不自然」、つまり「人としての意志」なのです。
その訓練がないまま大人になり、不機嫌を武器としてみなさんを操る同僚さんがいて、リモワ中止によりまた週何回か同席することになってしまう。
ついては、「不機嫌を察してあげない」というアクションによって、その武器はもう無効ですよと教えてあげましょう。
本当は「自分の機嫌は自分で取れるようになりなさい」まで導いてあげたいところですが、さすがに他人さんの人生、そこまでは構ってられない。
では皆さん、今年も残り3週間<ステイ上機嫌・キープ客観>で、よい自己トレーニングを!
TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師