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#443 成長し続けるための8原則(4)
「資格試験勉強というトレーニングを継続・成功させるための条件はなにか?(何をすべきで、何をすべきでないか?)
前回までの振り返り。
??原則1
「トレーニングは総合的に」
下記3つの能力を、総合的にバランスよく鍛えること。
@「合格に必要最小限」より、ちょっとだけ幅広で難しい論点のインプットと、そのアウトプット(時間が掛かってもよい)
A「合格に必要最小限」論点だけの、高速アウトプット
B長時間にわたってAを処理し続ける持久力
??原則2
「トレーニングは意識して」
いま自分は何のトレーニングをしているのか、に対して意識を集中する。そうしないと、鍛えるべきパーツたちを覚醒させ、鍛えることができない。
??原則3 《特異性》
「鍛えている能力だけが伸びる。しかし、鍛えていない能力は伸びない」
自分は何をトレーニングできて「いない」のかについて、謙虚かつ客観的に自己認識し続けること。
そして今回は
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??原則4 《可逆性》
「一度鍛えた能力でも、トレーニングを中止すれば、その能力は維持されることなく衰えていく」
まあシンプルにいえば、サボればそれまでのトレーニングがムダになる、ということです。当たり前だと思うかもしれませんが、ここで大切なのは、単に
「怠けてはいけません!」
というお説教ではないんです。
皆さんは、志(こころざし)を高く持って資格試験取得の道を歩み始めました。最初から「まあ、テキトーなところで挫折しよう」と思って始めた方は、あまりおられないはずです。
なのに現実には、中途挫折する方が絶えない。これは、その方々の「気持ちが弱い」とか「甘えてる」とか、そういうことではないのです。違うので、そういうことでご自分を責めてはいけません。
途中挫折する理由の殆どは、「張り切りすぎ」なのです。初期段階に、まだ強度の高いトレーニングをこなす「体力」「筋力」がないうちから張り切りすぎてしまったからです。
それによって、ココロとか体調とかに無理がかかり、いわば「ケガをして」しまって、トレーニングが継続できなくなってしまう。だから中途でやめてしまうわけです。
ですので、この原則4の意図は、「こら、サボるんじゃねえぞ」ではありません。
「中止に追い込まれてしまうことがないように、決して無理な強度のトレーニングをしない」
「一時の過剰な張り切りで、ココロや体調の《ケガ》をしない。そのことを、常に心がける」
ということです。
一回だけ頑張ることは結構できるんですよ。例えば、全く練習していなくてもフルマラソン42.195キロを4時間くらいで走り切れてしまう方は、割とおられます。
問題は、その頑張った日から回復するのにどれだけ時間が掛かるか、です。
無理なトレーニングをして自己満足に浸ったはいいが、それで筋肉を傷めて何週間もトレーニングできなくなったら、それまでのトレーニングの蓄積があっと言う間に減衰してしまいます(可逆性)。
それだったら、その無理なトレーニングをしない方がずっと良かったわけですよね。
ということで、トレーニングの分量と難度は、自分でしっかり歯止めをかけなければいけません。
同じ理屈で、「休みを入れて疲れを回復させる」「気分転換を図る」こともトレーニングの一環です。休まない人は、サボっているのです。
日本の組織では「やってる感」を演出し続けないといけないため休みが糾弾されますが、その結果として日本の生産性が極めて劣悪であることはよく知られています。
繰り返しますが「休まない人は、サボっている」ということを、ご自分個人の戦いでは忘れないようにしてください。
ということで今回は、「トレーニングをやめれば衰える」という原則でしたが、その意図は「トレーニングは、やめないで続けられる強度と難度を超えてはいけない」ということでした。
では、よい夏を!
TAC USCPA講座/草野 龍太郎 講師