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#442 成長し続けるための8原則(3)
「I always turn to the sports pages first, which records people's accomplishments.
The front page has nothing but man's failures.」
(新聞は必ずスポーツ欄から読む。そこには『人間が達成したこと』が書いてある。それに対して1面には『人間の失敗』しか載っていない。)
Earl Warren 1891-1974、USのカリフォルニア州知事、連邦最高裁長官。
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スポーツも、資格試験も、「達成と克服」の物語です。
ということで
「資格試験勉強というトレーニングを継続・成功させるための条件は何か?」
(何をすべきで、何をすべきでないか)
まず前回までの振り返り。
??原則1
「トレーニングは総合的に」
@「合格に必要最小限」よりちょっとだけ幅広で難しい論点のインプットと、そのアウトプット(時間が掛かってもよい)
A「合格に必要最小限」論点だけの、高速アウトプット
B長時間にわたってAを処理し続ける持久力
この3つの能力を、総合的にバランスよく鍛えること。
??原則2
「トレーニングは意識して」
貴重な意識エネルギーを向けるべきは、
「いま、自分は(例えば)スピード持久力のトレーニングを行っているのだ」ということ。
その集中によってはじめて、スピード持久力維持に必要なパーツたちを覚醒させ、鍛えることができる。
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さて今回は、これら2つの原則「総合」と「意識」の続きです。
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??原則3 <<特異性>>
「鍛えている能力だけが伸びる。しかし、鍛えていない能力は伸びない」
どれほど@インプットの訓練をしても、それだけではAスピードとB持久力はつかない。
@インプット訓練は、「ムズカシイことを、長時間かけて考えて、自分の血肉にする」というところに意味があり、特にAスピードとは背反する。
かといってAスピ練(スピード練習)を、見慣れた論点や計算問題などでギュンギュン繰り返しているだけでは、@インプットがおろそかになる。
更に、Aスピ練をスキマ時間などでやるのはすごく良いのだが、定期的にある程度長時間のBスピード処理持久力トレーニング(週に一回・100分をお勧めします)を
やっていないと、試験本番で1時間くらいのところでアタマがバテてしまう。
つまりですね、やっていないトレーニングがあなたに報いてくれることはないということです。
失敗した方がよく、「あんなに努力したのに裏切られた」と仰いますが、たいていのケースでは「努力すべきポイントを見落としており、そこを努力しなかった」のです。
自分の弱点を具体的に把握し、そこを強化するためのトレーニングに、意識を集中させながら取り組む。
ここで大事なのは、弱点を把握する際には「原則1の3つのバランス」を常に考えるということです。
例えば総合原価計算が苦手だとして、@インプットが足りないのか?Aアウトプットスピードが遅いのか?のどちらなのか。
もしAなのであれば、
「原価計算の理屈はわかっている(@)が、問題の処理が遅い(A)から、スピードアップ練がに取り組む」
というように、原則2「集中」でも強調したトレーニング中の意識「自分は今、スピード(A)を鍛えている」を大事にしながら、猛烈に処理スピードを上げる努力をします。
これに対して、「今日は問題集の原価計算のとこををだーっとやるか〜」という程度の「粗さ」「雑な意識」では、ダメなのです。
穴を潰さないと、そこに落ちます。
穴は「埋めるぞ」と意識して埋めさえすれば、ちゃんと埋まります。そこに落ちなくなります。報われます。
しかし、
・意識が薄いまま埋めたつもりの穴
・あるのは気付いていたけれど埋めなくていいやと勝手に決めて埋めなかった穴
・あるのに気が付かなかった穴
これらを誤魔化し切れないように、長時間・大量のタスクが本番で課されるわけです。従って、
「自分が意識して努力で埋めていなかった穴は、自然に埋まってくれることはなく、本番では必ずそこに落とされる」
そう覚悟を決めましょう。その上で、むらなくバランスのよいトレーニングを、毎日積んでいきましょう。
TAC USCPA講座/草野龍太郎 講師