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#440 成長し続けるための8原則(1)
これから数回に分けて、
「勉強というトレーニングを継続するための条件はなにか」
(何をすべきで、何をすべきでないか)
について説明していきます。
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原則1
「トレーニングは総合的に」
試験を受けて合格点を取る。そのために何ができればよいのかというと、「解かなければいけない問題を」「制限時間内に」「すべて解ききる」ということができればよい。
つまり、試験の本番で必要なパフォーマンスは、大きく下記の3つになります。
@ 合格と判定されるために最低限正答することが必要な問題を正答できる能力
(「この難易度の問題が解けなければ落第にします」というレベルの問題を確実に正解できる、ということ)
A 上記@の解答を制限時間内に完了させられる能力
(処理スピード)
B 上記Aの作業を制限時間いっぱい継続して実行できる能力
(スピードの持続力)
この3つの能力を総合的にバランスよくトレーニングすることが、「資格試験の受験勉強」だということになります。
これに対して、試験慣れしていない方に多い勘違いは、@=インプットこそ「勉強」だ、と思い込んでいることです。
難しい論点のインプットを重ねることで、「合格に必要どころではなく、かなりの難問でも解けるようになった」というのはとても素晴らしいことです。
ただ、本番では時間の制限というものがある。
「時間さえかければ解答できた問題だったのに(時間がないから解答できなかった)」と仰る方は、
@のインプットをしっかりやったのに「制限時間ごときのせいで」合格できないなんて非合理だ、と思っておられるのかもしれない。
しかしルールはルールですから、厳しく申し上げれば「時間内に解けなかった」のは「インプットをサボっていた」のと同じなのです。
試験対策トレーニングは総合的に行わなければなりません。@の難問対策のインプットに偏ってはいけません。
基礎的な問題をしっかりと超高速で処理する、というAのスピードトレーニングもバランスよくこなしておかなければいけないのです。
Aを手抜きして、練習問題をみた瞬間に「この問題は解けることが確実だから解く練習をする必要がない」とトバすクセがある方。
アタマでわかっていることと、実際に手を動かしてアウトプットできることとは、違います。
解答作業高速化には継続的なトレーニングが必要で、それを怠ると、本番で「基礎的な問題の解答作業に時間をかけてしまった」と言う失態をおかすことになりかねません。
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具体的には、まず@の難易度アップトレーニングの際にかならずストップウォッチで時間を測ることです。
そして、マルチプルチョイスで3分以上かかる問題は徹底的にマークし、本番までに繰り返し解答処理速度をあげるトレーニングをしてください。
これを続けてみて、本番直前になってもやはり3分を切れないようであれば、本番では戦略的にその問題(に似た問題)は解かずに捨てる、と決めて臨むのです。
とにかく本番で1番恐ろしいのは、見たことも聞いたこともない難問奇問ではありません。「時間をかけさえすれば解けると一目で分かる」という問題こそが、
一番危ないということを、決して忘れないでください。
次に、A難易度の低い問題を超高速で処理するスピード練習は30秒以内で処理できる問題だけを20分間(つまり40題以上)全力で処理するトレーニングを行ってください。
この頻度は、一日おき、週に3回は入れるようにしてください。
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Bの「試験本番での持久力」に移りましょう。このように、なにかの本番で集中力を制限時間一杯キープするという能力は、
別に資格試験本番のパソコンの前だけで発揮されるものではありません。
日頃から、というか、幼い頃・若い頃から、勉強やスポーツや仕事や遊びなど「ここぞ」と言う時に、集中力が数時間持続できるという方はおられます。
そして、それがどうしてもできないという方もおられるのです。
過去は変えられません、変えられるのは未来だけです!他責することなく素直に自分の集中力持続性の現状(足りなさ)を見つめ、いますぐ補強トレーニングを始めましょう。
具体的には、週に一回でよいので、完全集中して問題を解きまくる時間を「100分間」作ってください。
週に一回・100分で十分です。そのかわり、受験直前まで毎週コンプリートしてください。
その100分間は、問題処理作業に集中します。できればご自宅でない所で、あらゆる雑事を断ち切って取り組みたいですね。もちろんスマホはオフです!
最初は、100分間どころか10分も続かないかもしれません。しかし、そのうち耐えられる時間が延びていくことが実感できます。
そうすると面白いもので、100分間集中するためには「どうやって座ればいいか」もわかってきますし、100分の間「ノドが乾かないようにするにはどうするか」も掴めてきます。
「途中でトイレに行かずにすむには?」2日くらい前からいつ何を食べ、何を食べてはいけないのか、二日酔いなど論外オブ論外だということも、よく分かってくるはずです。
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今回は、試験本番で必要な能力を3つに大別し、それらを総合的に鍛えては初めて「受験勉強」と呼べるのだ、という「総合性の原則」をご説明しました。
@Aとくらべて、B集中の持久力については、あまり強調されることがありません。これはおそらく「生存者(生還機)のバイアス」だと思われます。
ご存じない方はぜひこの機会にググってみるとよろしいですが、要は「合格した方の苦労話をいくら聞いても、『どうしたら不合格になるのか』はわからない」ということです。
もともと集中持続性が高いうえに、難しい問題も解けて、かつ、やさしい問題は超高速で処理できる、という三拍子そろった方のお話を伺っても、
はっきり申し上げて参考にはなりません。
ご自分に@ABのどれが足りないのか。もちろん、全て足りないということもあるでしょう。それでもいいのです。
その不足を、言い訳することなく素直に認めるからこそ、トレーニングによって補完する可能性が開けるわけです。
では、張り切ってやっていきましょう!
TAC USCPA講座/草野龍太郎 3講師