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#438 全勝しようとしない
ちゃんと勉強している。アウトプットの練習もしている。それなのに結果が出ない。
その原因の一つは「全勝しようとしている」ことです。
問題を見たら、全部解こうと思っている。
全部解かなくても受かることは「脳では」わかっているが、「腸(ハラ)では」そうではない、解かないと気が済まないという状態です。
(動物にとって脳は腸の付属品にすぎませんので、「アタマで考える」ことなど「ハラで感じる」ことには、到底勝てません。)
誤答したら、もしくは、その論点をそもそも知らなかったら、
「悔しい」
「残念」
「悲しい」
「恥ずかしい」
「なんでだよおぉぉ、わたしの人生ってどうしていつもこんなあぁぁ」
などと感じていませんか。
なぜそのように感じる?
全部解こうとしているからです。
全部解こうとしているから、解けなかったquestionで負の感情(負けの感情)が生まれるのです。
脳でだけでなく、腸で「全部解けない」ことが「ハラオチ」していたら、ロスしても、負の感情が出てこなくなる。そのかわり、正解しても高揚感は出ません。
そうなるとしめたもので、腸レベルで全部解こうとしなくなっていますから、かなりうまくいくようになります。
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腸でわかっていない方(つまり、多くの方)が陥りやすい罠ですが、何回か誤答すると、その理由を考えようとします。
理由はひとつだけ、それは「確率」なんです。他にありません。
今のインプット量やアウトプット力で、問題を時間内に解ける確率はどのくらいか。というか、【時間内に解けない】問題が当たる確率はどのくらいか。
それ以外の理由を探すことをやめれば、負けのスパイラルに陥らなくてすみます。
あくまで確率です。天気に晴れ、曇り、雨、雪、台風などがあるように、試験でも一定の確率で【時間内に解けない問題】が当たる。それだけです。
インプットを増やしてアウトプットのトレーニングをすれば、【時間内に解けない問題】に当たる確率が減る。それだけです。
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今日晴れなのか、曇りなのか、雨なのかは、解決すべき「問題」でもないし、ましてやあなたが感情的になるべき「理由」ですらもない。
今日は、雨だから雨なんです。
そして「問題」は、例えばあなたが【悪天候によって時間内に目的地に着けない】ことです。
そうしたら、雨の日は傘を持てばいい、ただそれだけです。強い風雨の日でもスタックしない交通経路をあらかじめ探しておくとか、
高性能のゴアテックスなどの軽くて通気性が高い雨具を手に入れておくとか、インプットとアウトプットの対策を講じておけばいい。
すると、風雨により【時間内に目的地に着けない】確率が減ります。
雨が降ってきたら、雨が降ってきてことをただ受け止める。そして、雨による遅刻、雨で濡れる被害、などなどを避けることだけにエネルギーを投下する。
ところがその逆で、
「雨の中傘も持たず出かける」
「自転車でリュックにPCを入れて走る」
などの行為を避けることなく、雨の確率が減らないことを嘆く人が、本当に驚くほど、とっても多いんです。
さらには、雨が降らないように、今すぐ晴れるように、とお祈りする方や、なんなら占いに頼る方々もおられます。
なぜか?それは、その方々のハラが、「全部解かないと」「全部勝てない自分はダメ人間だ」などと思っていて、アタマとカラダをその方向で支配しちゃっているからなんです。
全部解けないからダメなんじゃない。
全部解けるべきである、と思ってることがダメなんです。
解けない問題に当たることがダメなんじゃない。
【解けない問題に当たる確率】を減らすことに時間とエネルギーを投資していないことが、ダメなんです。
ここまで読めたあなたは、大丈夫。今日から変われます。
TAC USCPA講座/草野龍太郎講師