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#434 大事なのは本番での再現可能性
このコラムでは、ここのところ、<<成功すること>>と<<成功し続けること>>は違う、ということを考えています。
これまで考察したのは、
一回の<<成功>>を「アウトプット」だと誤解するのは、慢心のもとだから、やめましょう。一回の<<成功>>は、一回のインプットに過ぎません。
<<失敗>>を「<<成功>>でなかったアウトプット」だと悲観するのもやめましょう。<<失敗>>もまた、インプットなのです。
言い換えると、我々が欲しいアウトプットとは<<成功し続けること>>です。
では続きです。
<<成功し続ける>>とは、<<成功>>を「再現し続ける」ということに他なりません。
「再現し続ける」ということは、
■ひとつ一つの<<成功>>のインプットから「再現可能」なことを抽出してその再現に努めること
■ひとつ一つの<<成功>>のインプットから「再発可能」なことを抽出してその再発防止に努めること
この二つを心がけることです!
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一回の<<成功>>を「満足できるアウトプット」だと誤解すると、これができない。
嬉しさのあまり、ご自分の<<成功>>体験のうち「再現不可能なパート」までも、次回にも「再現」されると確信してしまう。
さらには、<<成功>>したといっても、必ず何%かは<<失敗>>も同時にやらかしているのだが、その「再発可能」な<<失敗>>の「再発防止」を謙虚に努力するということもしなくなる。
ソフトバンクグループの孫さんが、好決算の発表で「たまたまの、たまたまの、たまたま」と仰っていました。
読者の皆さんのように、組織やチームを指導する立場の方々は、ご自分の<<成功>>体験を分析して「再現」の可能・不可能を切り分けする義務があるのです。
ご自分の<<成功>>体験の分析に立ち向かわず、ひとつ一つの<<成功>>をご自分の努力で勝ち取ってきたと思い込む。
それは、リーダーの指揮に従うことに徹すると決めた方々には許される態度ですが、皆さんはそうではない。
<<成功>>体験のうち、部下さんたちが「再現」できない部分、なんならあなたご自身も「再現」できないような部分までも「再現」を強制する。
そんなリーダーは「害」とみなされてしまう時代です。
ご自分の<<成功>>は、ご自身の努力だけでなく、その場その瞬間の「たまたまの、たまたまの、たまたま」なくしてはあり得なかった。
それなのに、そのことを客観的に分析せず、
「あなたたちでも、頑張れば自分と同じ<<成功>>が出来る」
「のに、それができないのは、頑張りが足りないからだ」
という「指導」を繰り返してしまう。まさに<<失敗>>の「再発」の見本みたいなものです。
このように、こんにちの組織で「害」とされがちな方々には、共通点がある。
・<<成功>><<失敗>>の分析をしない
・他人の<<成功>><<失敗>>からも学ばない
・「再現可能性」を試さない
・「再発防止」にも努めない
・上記をやらないことがまずいということを、今まで誰にも教わったことがない。
そして、そういう方々を一目で見分ける方法があります。それは「メモを取らない、かといって、その場で全集中で覚えようとしているわけでもない」ということです。
この話は、組織マネジメントだけでなく、早期合格をめざす受講生の方々にとってもご参考になるはずです。
TAC USCPA講座/草野龍太郎講師