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#428 4月こそ身辺整理!
新年度です。はりきっていきましょう!
昨年度(2020年度)、感染症もなく、世界スポーツイベントも予定通り行われていたら、2021年度はかなり違った風景だったでしょう。
今週あたりは、お花見インバウンドが東日本で盛り上がっていたでしょうね。それと、会社の歓送迎会。
もともと、2020年から景気は下り坂と心配されていましたが、とはいえ、今ほど冷え込むことはなかったでしょう。
そのため、日本の弱いところが今ほど明らかにされることはなく、日本がデジタルもロジスティックスも後進国だということも、今ほどバレることもなかったでしょう。
古いものが益々パワーを吸い寄せ続け、それによる良いことも悪いことも、それまでと同じように「慣性」のまま続けられていただろうと思います。
勿論、今回「変わり始めたように見えた」物事の殆どは、数年以内に「復旧」するでしょう。
「復興」でなく「復旧」ですね。日本列島にホモ・サピエンスが渡来してから4万年弱、そして弥生人がドミナントになってから3千年弱。
この間に培われたDNAは簡単には変異(トランスフォーム)しません。
デジタル「トランスフォーメーション」(DX)も、多くの組織で既に話題にもされなくなってきました。
せいぜい紙をPDFに置き換えたり、書類のスタンプラリーをオンラインワークフローに変える「デジタライゼーション」が関の山。
本来のDXとは、リーダーが、現場の業務で発生するデジタルデータ(とくに例外的な・異常なデータ)をもとに業務や経営の指揮をとることです。
・・・ まあ、そのようにはならないですよね。
ただし、USではビジネスのDXが加速していき、現にUSCPAやUSCMAの試験でもDXが範囲に入ってくるくらいです。
ですから、同じ「経理プロ」と言っても数年後には、US的なFP&A(プランニングとアナリシスがメインの経理業務)と、
日本的な経理チームとでは、やってる競技がアメフトとサッカーくらい違うことになるかもしれません。
トランスフォームは起きないだろう話で言えば、リモートワークもほとんど無しに戻るでしょう。
我々は毎日長時間一緒にいて「呼吸を合わせる」ことが不可欠です。専門技能集団ではなく、メンバーシップ倶楽部ですからね。
ということで、新年度は改めて「今後何をするのか」「今後何をしないのか」「することのうち、優先順位は」を決めていかないといけません。
日本の経済社会は、ますます独自さが研ぎ澄まされていくと思われますから、国内で「優秀」であっても、
国外では本当に何の貢献も参加すらもできない、という可能性がどんどん高まっています。
日本ドメスティックに軸を置いてやっていくかどうか、身辺整理が必要だということです。
決して「日本ドメスティックはダメだ」というわけではありません。それはいつも申し上げているとおりです。郷に入りてはDNAに従え、です。
ダメなのは、アレとコレの二股をかけて戦線を拡大し、どっちも中途半端になってしまうこと。これは避けないといけません。
ドメスティックなメンバーシップ組織に賭けるなら、2021年度は今までよりも更に、一層そこにフォーカスすることです。
メンバーとしてのコントリビューションをさらに発揮し、少なくとも70歳まで続く「被雇用」人生を、しっかり戦いぬく基盤をつくらなければなりません。
プロフェッショナルとして身を立てようと決意するなら、メンバーならではのコスト(たとえば宴会へ参加するための時間コスト)などを極限まで抑制すること。
その浮いた時間やお金を投資して、自分のスキルと運を高め、「検索される」ようになれないと、これも苦しい。
中途半端では、何も得られない。
「断捨離したうえでフォーカス」をしないことが、最大のダウンサイドリスクとなった。
これに多くの方が気がつかなかったというのが、この30年続いてきた「中間層の没落」の実相です。
過去の世代の方々の「成功体験」が通用しなくなってしまったというのは、このことなんです。
ということで、新年度にあたり、ぜひ身辺整理から始めてみてください。
TAC USCPA講座/草野龍太郎講師