TACメールマガジン

 

資格の学校TACTACメールマガジン米国公認会計士バックナンバー

TACメールマガジン 米国公認会計士バックナンバー

米国公認会計士バックナンバー

2021/02/17
成功し続ける方法/422回 <リスクとリターン(その1)>
#422 リスクとリターン(その1)


深い呼吸習慣、はじめていますか?ふうううう、草龍です。

間違えないでください、「たまには深呼吸してますか」じゃないですよ!「いつでも」呼吸が深く長くなるよう、今から訓練を始めてくださいね。

さて。ここ数ヶ月、「ZEROリスク」を要求する方々が、また増えてきました。


ここで受講生のみなさんと、「リスクとリターン」について確認しておきましょう。

もちろんBECの超コア論点だからです。


■そもそもリスクとは

ふたつの意味があります。

1.「良くないことが起きる可能性」のこと。

コーポレートガバナンスの「エンタープライズリスクマネジメント(ERM)」とか、ファイナンスの「デフォルトリスク」「クレジットリスク」など。

これは、世の中一般と同じ用語法ですね


2.「不確実性の度合い」のこと。

良くも悪くも、どうなるかわからない、そのわからなさを差す。

悪い方のダウンサイドリスクだけでなく、良い方のアップサイドリスク(宝くじがあたるかも。記念受験なのに合格しちゃうかも、など)もある。

こちらの意味は一般にはほとんど知られていない。


■ハイリスク・ハイリターンの意味

一般には上記のリスク1の話だと誤解されています。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)」、つまり、大きな危険を冒さないと大きな成功は得られないという意味だと思われている。

でも、ちょっと違うんですね。

この場合のリスクは、上記の2なのです。つまりこういうことです。

「確実に儲かると言う保証がない、というか、なんなら損するかもしれないっていうんですか。

わかりました。損する可能性は受け入れますから、そのかわりに、いい時にはめちゃくちゃ儲けさせてもらえますか?」

そう、ハイリスク・ハイリターンの意味は、一般の理解とは順番が逆なのです。


「虎穴に入らなきゃいけない(ハイリスク)っていうなら、虎子を得られる(ハイリターン)可能性がないとイヤです。

ただ、虎子を得られる可能性があるなら、虎穴に入ることも検討します」というのが、正しい解釈。


リスク1の一般的解釈の方々のほとんどは、

「虎子?そんなもん要らないから、とにかく危険は勘弁して。虎穴なんてとんでもない!」となる。

「株式投資なんて怖〜い」というのが、これですね。


これに対して、リスク2解釈の方々は、

「虎子が必ず得られるわけじゃないにしても、得られる『かもしれない』ってことは確かなのね?

で、逆に、最悪の場合はどうなる?そして、それぞれのシナリオの可能性は?」などと考えます。

草龍は、お仕事をするお相手や仲間を決めるときに、この「ハイリスク・ハイリターン」をどう解釈なさる方か、をたいへん重視します。


リスク1の方(虎子なんていらない、虎穴なんてとんでもない)ばかりでは、仕事が広がらない。

リスク2の方(虎子ほしい!虎穴に入ることのプロコンを検討する!)ばかりだと、それはそれでとっ散らかる。

チームメンバーのリスク感覚のダイバーシティをはかること、それが、チーム経営者の「リスクマネジメント」の第一歩です!


(この項続く!)



TAC USCPA講座 草野龍太郎 講師
TACメールマガジントップへ
資格の学校TACのご案内