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2020/10/01
成功し続ける方法/404回 <なにもしない1日>
カラッと晴れわたり、暑からず寒からず気持ちが良い朝。一年を通して何日もないような好天だから、今日いちにちを大切に使いたい… 目が覚めてベッドの中でそう思うものの、なぜかカラダが動かないこと、ありますよね。

二度寝したいわけでもないが、なぜか、起きる気力が湧かない。「えいやあ」っと起きてみても、何をする気合いも湧いて来ない。そのままベッドに戻ったり、ソファに寝転がったりして、スマホを手にしてもゲームするでもなく動画を観るでもない。もちろんSNSを見る気力など一ミリもない。とにかくぼーっとしていたら、そのまま夜になってしまった。

この時季、日中の気温が夏っぽくても、日没がとても早くなっている。そのギャップにカラダが慣れておらず、ああ、もう日が暮れちゃったと驚きます。そして、「1日をムダにしてしまった、あんなにいい天気だったのに」と落ち込んだりする。

このように、なにもしなかった1日を、後悔することは決してありません。無理やり何かをしていても、うまくいかなかった日です。これだけの時間を勉強に投資していたら、これだけ進捗していたに違いない、などと残念がる必要もありません。きっと、覚えても覚えられず、考えても理解できず、時間をかけても身につかなかったことでしょう。それなのに「この範囲は今日やった」ということにしてしまったら、やったつもりになってるだけでで全然マスターできていないという、大きな穴があいてしまったかもしれない。そうなるくらいなら、「この範囲はカバーできていない」と自覚している方がずっとマシなんです。

自分のカラダを自分の「意思」でコントロールできないことに失望していますか?でも考えてみてください。コントロール可能部分なんてごく僅かです。そうでしょう?あなたのカラダは、ほとんどあなたの意思に関係なく勝手に動いていますよね。器官レベルでいえば心臓や消化器などみんな勝手に動いている。そして、これが細胞レベルともなれば、37兆の細胞たちがじつに巧妙に連携しながら、時々刻々、とんでもない生命の大問題に向き合っているのです。

カークウッドの「使い捨ての体理論」によると、こうです。ヒトのDNAは時々刻々、紫外線や酸素や糖や物理的炎症やらで傷ついているのだが、それについて細胞たちは重大な選択を勝手にし続けています。それは「どうする?現状の生命機能(若さ)を維持するために、傷ついたDNA修復を優先する?そうすると生殖のほうがストップするよ。それとも生殖を優先して、DNA損傷(老化)は放置しちゃおうか?」・・・おーい、俺の体だぞ。そんな大事なこと、俺に相談なく決めるなよ、って感じですね。たいていの場合、細胞は「生殖」を優先するため、DNAが傷ついたまま修復されずに変性した細胞(老化細胞)の割合が徐々に増えていきます。これが老化ですね。

老化のメカニズムはさておき、なにを言いたいかというと、ちょっと脳で悩んだくらいでは「自分のカラダの状態が、なぜこうなのか」なんて、決してわかるはずがないのです。「今日、こんないい日だったのに」なんで、なにもする気が起きなかったのだろう?そんなことをどれほど考え抜いたところで、細胞たちはなにも答えてくれません。別に意地悪なんじゃない、彼らは忙しいのです。

だから、結論は一つ。「今日は休むべき日だった」。いちいち脳なんかに説明はしないけれど、あなたを構成する37兆2千億個の細胞たちが、みんなでそう決めたのです。37億じゃない、37兆ですよ。逆らえる数じゃないよね。

カラダの状態によっては、こういう「なにもしたくならない日」が、1日や2日では済まないこともあるでしょうね。だとしたら、あなたはあなたの脳に言い聞かせてください、「むしろ、ポジティブに休んでやろう」と。「なんでだよ」とネガティブな気持ちになるのは全くのムダ。ましてや自分が「無力だ」と絶望したりするのは、愚の骨頂です。

みなさん自身だけでなく、みなさんが付き合っている経営者の方たちにも、「休んだら?」と言ってあげた方がいい方々がいるかもしれませんね。「真面目で責任感にあふれ、これまで公私ともにとても充実していた」ような方は、ふとしたキッカケによって自分を「無力」だと絶望してしまいがちだからです。

いくら意識高く努力しようとしても、無理な時期は無理。「本で読んだカリスマ経営者たちは、みんな寝ないでどん底を乗り越えている」って?あはは、そんなの、本を売ったりネットのPVを稼ぐために盛りまくった話だよ。誰にでも無理な時期はくる。その時に腹をくくって「ポジティブに休んだ」からこそ、サバイバルし続けられるんです。



(USCPA講座 草野 龍太郎 先生)
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