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2020/07/16
成功し続ける方法/394回 <プロは「失敗しない人」ではない>
誰でもミスを犯す。プロは「失敗しない人」ではない。「さまざまなミスについて、それらの恐ろしさを知っている人」である。

だからこそプロは、ミスを犯さないことを前提に計画を立てることはない。

「大丈夫だろ、このくらい、いくらなんでも」とラクをしたがるのは、アマチュアという人種の特性である。さらにそれに輪をかけて、「絶対にミスを犯してはならない」などと口走るのは、アマチュアの中でも最低レベルのど素人である。

こういうクライアントの仕事は、可能な限り減らしていきたい。また、こういう上司が偉くなる組織に所属するのも、可能な限りやめたい。

そもそも、他人に「絶対にミスをしてはいけません」と言うのは、ミスのリカバリーができない証拠である。実際にミスが起きた時に、誰かを責めるだけで決して適切な対応を取らない。だから、被害が拡大し、あなたが被るコストも大きくなる。

力があるプロは、ミスした際のリカバリーまできちんとやり切る自信がある。だから、ミスは必ず起きるという前提を持つことができるし、ミスが発生した時に他責しているヒマがあったら、まず即座に適切な対応を取ろうとする。

そのために、常日頃から、ミスを起こしたらすぐに連絡してくれ!と徹底している。そして、すぐに連絡してくれたミステイカーを、決して叱らない。むしろ「よく、すぐ教えてくれた!」と褒めたりする。

この点、「絶対にミスをしてはならない」という上司がいれば、部下は些細なミスを隠すようになる。

この手の企業が客の立場になると、最低のモンスターカスタマーになる。特に対価、費用を払わない人に限ってそういう事を言う。

また、この手の企業を買収してしまうと、PMI(マージャーのあとのインテグレーション)なんて、もう笑っちゃうくらいに上手くいかない。ブラックボックスを大金で買ったようなものだ。

「絶対にミスを許さない」「完璧なセキュリティを目指す」「リスクゼロ」などの、机上の空論ファンタジー語が使われている組織からは、距離を置くのが一番である。隠蔽文化が根付いた組織は、ちょっとやそっとではトランスフォームすることはできないからだ。

デジタルツールを入れても決して透明にならないし、「ミスを許さないパワハラ上司」を数人切る程度では、隠蔽文化の地下茎が枯れることはない。どういう立場で関与するのも大変である。距離を置くのが一番だ。

そうそう、試験本番に臨む態度もこれと同じだ。本番でミスをしない受験生はいない。結果を分けるのは、ミスを察知出来ることと、その挽回ができることだ。具体的にどうすれば良いかは、教室講義で伝授します!


(USCPA講座 草野 龍太郎 先生)
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