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先日、NHK-ETV特集『緊急対談 パンデミックが変える世界〜海外の知性が語る展望』を視た。
登場したのは
US政治学者イアン・ブレマー
イスラエル歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ
フランス経済学者・思想家ジャック・アタリ
さすがNHKさん、渾身のブッキングである。
ブレマーさんは、まずは中国とUSの対立にフォーカスし、これは尾を引くだろうと警告した。
ハラリさんは、「政府による国民監視」が、国民の支持のもとで強化されると予告。これと双方向で国民が政権監視できないといかんと主張した。
アタリさんは「利他主義」が重要と訴えた。「利他主義は究極の利己主義だ」とか、草龍がこのコラムで説いてきた教えがわかっているようで、なかなか感心であった。
(念のため、冗談です)
どうやら、アフターコロナもしくはウィズコロナの世界は、大きいリスクがあるようだ。もちろんここでリスクとは、「危ない」のほうではなく「どうなるかわからない」のほうの、ファイナンス的なリスクである。
「国家と国民の関係」「企業と国民の関係」「国民と国民の関係」が、どえらく大きく変わる。
そして「企業と企業の関係」も、「プロフェッショナルと企業の関係」も、大きく変わるのだ。
このNHKの番組は、オンラインでインタビューしていた。ほんの数週間前にこの番組があったとしたら、3人のもとにディレクターとカメラマンと照明さんと音声さんと、、、を行かせて映像を衛星で飛ばしていたに違いない。
それがいまや、天下のNHKが、こんなビッグなゲストの会談を、SkypeやZOOMみたいなビデオ会議の映像でそのまま放送に使っている。
今までみんなが大騒ぎしていた「品質」とは、いったい何だったのか。「シロウト投稿ビデオ」がメインストリームになりうるなら、本当に文字通り誰もが記者やレポーター(に近い)仕事ができる、ということではないか。
そんなことを考えさせられた番組であった。これは放送業界の話だけだろうか?「プロの品質」を既得権益としている人々はすべて、自分が依拠する「価値」の意義を考えないといけないのではなかろうか?「会計プロフェッショナル」も、例外ではないのではなかろうか???
アフター/ウィズコロナの「プロと企業」のあり方。いま、新たに考え直すしかなさそうだ。
(USCPA講座 草野龍太郎先生)