TACメールマガジン

 

資格の学校TACTACメールマガジン米国公認会計士バックナンバー

TACメールマガジン 米国公認会計士バックナンバー

米国公認会計士バックナンバー

2019/05/12
成功し続ける方法/345回 <無知の知>
連休中こそ勉強し続けた方。そんなに勉強して、何かいいことあるの?と子供に聞かれたとしよう。さてなんと答えるだろうか?

相手が子供だからといって、いや子供だからこそ、テキトーな嘘をつくのはよくない。

「資格取得によりわたしの可処分所得が増える可能性があるので、わたしはもちろん、あなたにもメリットがありえますよ」

と生々しく答える手もあるだろう。

別の答え方だと、むかし島田紳助さんがテレビで

「こどもたち、よく聞けや!勉強すると、選択肢が増えるんやで!!」

と熱く説いていたことを思い出す。

「ある特定のことしか出来ないから、それをやるしかない」のと、「数多い選択肢の中から、自分の意思である特定のことを選んで、それをやる」のとでは、天地の開きがあるんだよと。

草龍はこれに賛成だ。

選択肢が多いことが好きだし、そこからベストと考えるやり方や進み方や対象を選択する作業も大好きである。

そして、世の中には自分の知らない選択肢がたくさんあるに違いない、と考えることも好きだ。自分は自分の選択肢を増やすべく努力してきたつもりではあるが、そんなもの、所詮程度は知れている。

「無知の知」という言葉も大事にしている。この際、座右の銘ってことにしとこうかな。自分が無知だと自覚することが、真理を知る第一歩であると信じている。

自分が無知だと自覚するためにこそ、知識を増やさなければならない。存在自体を知らない物事を「知らない」と自覚することはできないからだ。

もちろん、これは草龍の嗜好に過ぎない。「選択肢を少なくして、シンプルに生きたい」という主義も、大いにアリだと思う。

ただ、島田紳助さんにならって言えば、「はなから選択肢が少ししかない」のと、「意図して選択肢を減らす」のとでは、やはり大きな違いがあるんじゃなかろうか。

人生の節目ふしめにあったほうがよい。いったんは、選択肢を目一杯たくさん持ってみるという時期が、そこで目一杯悩んで、選択して、で、リソースを集中する。

そして、ここが重要なのだが、しばらく懸命にやってみたら、また選択肢を増やしてみて、選択に悩む時期を作ってみるとよい。

繰り返すが、知識を増やして「無知の知」に立ち返る機会があればこそ、人は自分の知っていることの限界を認識できる。

そして、それによって、他人から間違いを指摘されたとき素直に受け入れられるようになる。自分が間違えるとか知らないという事実に対して、客観的になれるということだ。

さらには、他人の考えについても「どうしてこの人はそう考えるんだろう?」と素直な疑問をいだくことができるようにもなる。これは、「なんでそんなワケわかんないこと言うの!?」と非難して拒絶するのとはまったく違う態度である。

受験学習でも当てはまる。短期間で成果をあげる方に共通しているのは、ご自分の「無知」や「間違える可能性」を素直に認めておられるということ。

いつまでも「こんな仕訳、日本の簿記試験だったら絶対にバツです」みたいに、ご自分の限られた「知」にしがみつくことなく、

「ふーん、アメリカではこうするのか」とか、「なるほど、この試験ではそういうルールになってるわけね」などと柔軟に対応できること。

その素直な「無知の知」が、資格取得だけでなくその後にも、ずっと役立つのです。
TACメールマガジントップへ
資格の学校TACのご案内