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2018/12/06
成功し続ける方法(第327回)USCPA講座 草野龍太郎先生 連載コラム
(先々週の続き・・・)

新しくやりたいことを始めてそれをやり抜く。
そのためにはまず先に、やらなくていいことや、やめたほうがいいことを、スッパリやめるところから始めよう。
という話を書いた。これ、草龍があちこちでオススメしていることです。
オススメすると、たいていどこでも、反論する方に出会う。

草龍に反論するヒマなんかがあったら、すぐに「やめる」「そしてやりきる」に着手すればいい...
と思うが、まあそれは口には出さない。でもここに書いちゃおう。

わざわざ反論する方のパターンは大きく2つだ。

・反論パターン1
「私は成長のためになんでもやりたいのです。プライオリティをつけてる余裕なんてありません。つまり『やめられること』もありません」というもの。

そうですか。
草龍の体験でいうと、ではそういう方々がほんとに「なんでも」引き受けてくれるかというと、そうでもない。
たいていものすごくpicky(選り好みする)でいらっしゃる。

これと似てる話が、「今度飯食おうよ!いつがいい?」に対して、「いつでもOKです!」って答える方。
いつでもOKなのかなと思うと、これもそんなことはないようで、「いつが良いか草龍さんが言って下さい!」とおっしゃる。
その方から能動的に「例えば、何月何日何時ころは、空いていますか?」とスケジュールを出して来られることは、けっしてない。

「何でも引き受けます」な方も、これと同じ。
「何ができるって?あなたが具体的に私に何をして欲しいのか、おっしゃっていただけると幸いです!」などとおっしゃる。
能動的に「私は、たとえばこんなことができます」と自分のエクスパティーズのリストを出してくることはない。

なぜか。
ほんとのところは、「何でもやります」という方には、できることがほとんどないからだ。
熟練マネージャーは、それが分かっている。
したがって、「何でもやります!」な方には「用事」を頼むことはあっても、「仕事」を頼むことはまずない。

というのは、昨今の「仕事」はどんどん難しくなっているからだ。
それらを「何でも」ソコソコこなせるような器用な方は、超レアキャラクターであり、まずお目にかかることはない。
ほとんどの方は、「何か」難しいことができるというスペシャリティが、1つでも2つでもあればラッキーというのが実態である。

かつては、新卒大量採用された素人がちょろっとOJT受けるとほぼ誰でもできる『仕事』をみんなでやっていた。
「何でもやりたい、だから、『やめること』なんてない」と反論する方にも活路があった。
いや、むしろ美徳とされていた。残業で時間をかけさえすれば、たいてい誰にでもできる『仕事』がたくさん拾えたからだ。

しかし、今日の職場では、かなり難しくなってしまった「仕事」と、だれでも(機械でも)できる「作業」との二極に分化している。
「作業」は、とにかくローコストが求められる。
経営側にとって、「作業」への報酬額を上げるのはとても難しい。
これが、専門性がない中間層が没落する要因となっている。

草流に反論する暇があったら、(まずは1,000時間くらいかけて)「何かはできる」人になったほうが良い。
そのためには(1,000時間分)他の何かを辞めなければならないはずだ。

わかりました、新年を期して1月から何かを辞めますよ、というあなた。
分かっていませんね。
12月から、今日、今から、まず何かを辞めることを始めましょうよ。

そう申し上げると、待ってましたと手を上げるのが、
・反論パターン2
「やりたいことをやり切るために、まず、やらなくていいことをやめよう」←「そんなこと言われても、やりたいことが見つからないのです」
と愁訴するタイプの方々だ。



(続く)
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