中小企業診断士は役に立たない資格?なくなると言われる理由や実情を解説

中小企業診断士の年収は高い?年収と月収の現実を詳しく解説

中小企業診断士の資格を取得するために情報を集めていると、「中小企業診断士は役に立たない資格だ」「なくなるかもしれない」などの噂を聞く場合があります。今回は、中小企業診断士とはどのようなものか、役に立たないといわれる理由などを解説します。中小企業診断士の資格がなくならない理由や試験の概要も説明するため、ぜひ参考にしてください。

中小企業診断士とは

中小企業診断士とは

中小企業診断士とは、経営コンサルタントを認定する、日本で唯一の国家資格です。中小企業の業務全般に関するアドバイスをおこなう、重要な役割を担っています。

中小企業診断士は、経営状態を分析して企業の課題を理解したうえで、売上アップにつながる解決策の提案などをする仕事です。それでは、中小企業診断士とはどのような資格か、さらに詳しく解説します。

経営コンサルタント唯一の国家資格

中小企業診断士とは経営コンサルタント唯一の国家資格であり、「どうすれば企業が儲けられるのか」を提案する仕事です。

経営学の大学院修士課程を修了した人に授与される、経営コンサルタントの能力を証明する学位として「MBA」があります。中小企業診断士はMBAの学習内容に近いため、「和製MBA」ともいわれる資格です。 中小企業診断士の資格を取得することによって、企業経営に関連した知識が横断的に身につき、国に認められた経営コンサルタントとして活動できます。

企業内で活躍するケースが多い

中小企業診断士は、一般的に独立開業するのではなく、企業内で活躍するケースが多いようです。会社組織などに属さないプロの経営コンサルタント(他資格兼業を含む)もいるものの、2020年の時点では独立開業している人は48.3%で、企業内で活躍する中小企業診断士が46.4%だというデータがあります。しかしこのデータは、都道府県協会に所属する会員中小企業診断士に対してのアンケートであり、プロの経営コンサルタント(独立開業者)からの回答率が高かったとも推察されます。実際のところ、独立開業をしている人が3割ほどで、企業内で活躍する中小企業診断士は7割ほどでしょう。

行政書士や宅建士といった、ほかの士業よりも独立開業を選ぶ人が少ないのが、中小企業診断士の特徴です。中小企業診断士の資格を取得すると経営についての横断的な視野を持てるようになるため、企業内でのキャリアアップやスキルアップ、転職・就職の際に役立ちます。

※参考:中小企業診断協会資料

中小企業診断士が「役に立たない」と言われる3つの理由

中小企業診断士の年収の現実

中小企業診断士の知識は仕事のさまざまなシーンで役立つため、取得したいと考えるビジネスパーソンの多い資格です。この章では、需要の高い中小企業診断士が「役に立たない」と言われるのはどのような背景からなのか、3つの理由を解説します。

1.業務独占資格ではないから

中小企業診断士が「役に立たない」と言われる理由のひとつは、「独占業務」が定められていないことです。独占業務とは、資格を持っている人だけができる業務で、独占業務のある国家資格を取得できると希少価値の高い人材になれます。例えば、公認会計士や税理士などは業務独占資格です。

しかし、中小企業診断士には独占業務がない一方、働き方によっては経営に関するすべての専門業務に携われます。資格取得のために身に着けた知識を、うまく活用することが重要です。

2.独立が難しい資格だから

独立の難しい資格であることも、中小企業診断士が「役に立たない」と言われる理由でしょう。中小企業診断士が独立するためには、プラスアルファの専門分野を持ち、希少価値を高めて顧客を獲得することが大切です。

例えば、営業に関する知識があればマーケティングや営業コンサルタント、人材管理についての専門知識があれば人材活用コンサルタントとして活動するなど、自分の得意分野を組み合わせるといいでしょう。

3.資格だけではなく経験が必要だから

中小企業診断士が「役に立たない」と言われている理由には、2.でも書いたように中小企業診断士の知識だけでは経営者を満足させられるコンサルタントにはなれないからでしょう。業界の現場を知る、経営者から悩みや意見を引き出すコミュニケーション能力も求められます

しかし、就職・転職の際には、企業のマネジメントや法務、会計知識などを一定以上身に付けている人として評価されるため、採用担当者の目に留まりやすいでしょう。 さらに、面接時に中小企業診断士を取ろうと考えた理由や、就職先で資格をどう活かしたいかを明確に話すことで、採用担当者に良い印象を与えやすいです。

中小企業診断士がなくならない3つの理由

中小企業診断士の年収が平均年収よりも高い理由

反対に、中小企業診断士がなくならない3つの理由を見ていきましょう。中小企業診断士がなくならない理由は、大きく分けると以下のとおりです。

  • 経営や会社構造について学べる資格だから
  • AIが代替できない仕事だから
  • 政界や経済界に期待されているから

それぞれの理由を解説します。

1.経営や会社構造について学べる資格だから

経営や会社構造について学べる資格であることが、中小企業診断士がなくならない理由のひとつです。中小企業診断士の資格によって、経営に関する知識を一定以上持っていると証明できます。

たしかに、中小企業診断士としての資格だけでは、食べていくことは難しいといえるかもしれません。しかし、中小企業診断士の資格を取得するには会社組織や経営に関してさまざまな観点から学ぶため、企業内で重宝される人材へと成長できるのです。

2.AIが代替できない仕事だから

AIが代替できない仕事であることも、中小企業診断士がなくならない理由です。中小企業診断士の業務では、AIには難しいとされるコミュニケーション能力や、数字で表せないデータの読解力、結果ではなく今後を診る力を必要とします。

そのため、今後さらにAIの活用が進むとしても、中小企業診断士のニーズは継続し続けるでしょう。

3.政界や経済界に期待されているから

中小企業診断士がなくならないといわれるのは、政界や経済界に期待されているためという理由もあります。中小企業の経営基盤を強化する政策が推進された結果、中小企業診断士のニーズも増加しました。

近年は感染症の拡大で中小企業の経営が厳しくなったため、支援内容や予算額が増え、中小企業診断士の重要性も増しています。多くのビジネスリーダーを求める日本経済界も中小企業診断士制度に注目しているため、今後もなくならないでしょう。

中小企業診断士試験の概要

中小企業診断士が年収をアップさせる方法

中小企業診断士試験は、1次試験と2次試験を通して1度で合格する確率が3~8%といわれる、難易度の高い資格です。受験年度によって異なるものの、平均的な合格率は1次試験で20~30%、2次試験では18~19%と2次試験のほうが低くなります。

それでは、中小企業診断士合格のために必要な勉強時間と学習ポイントをチェックしましょう。

※参考:中小企業診断協会資料

中小企業診断士合格のために必要な勉強時間

中小企業診断士1次試験は7科目と科目数も多く、広い範囲から出題されるため、一般的に800~1000時間の学習が必要といわれます。毎日2時間程度の勉強時間を作れたとしても、1年以上の準備期間が必要です。

多角的な視点を養いつつ、スケジュール管理をしっかりとおこなわなければならないため、独学で資格を取得するには難易度が高いでしょう。スケジュールを作成し、効率的な学習時間で資格取得の勉強を進めたい場合は、中小企業診断士の講座を受けることも手段のひとつです。

合格のための学習ポイント

中小企業診断士試験に合格するためには、以下のポイントを理解して効率的に勉強しましょう。

  • 学習計画を作る
  • テキストと問題集を効果的に使う
  • 重要ポイントを効率よく学習する
  • 1次試験は2次試験との関連性を意識しつつ学習する

テキストで内容を把握できたら実際に問題集を解いてみて、理解度を確認します。早く合格するためには、満点ではなく60~70点を確実に取れるように学習すると良いでしょう。 科目ごとにバランスよくスケジュールを立て、重要ポイントを効率よく学習するのがおすすめです。

中小企業診断士は社会的ニーズの高い資格

中小企業診断士資を取得してスキルアップを目指そう

中小企業診断士はAIが代替できない仕事であること、政界や経済界に期待されていることなどから社会的ニーズの高い資格だといえます。

中小企業診断士には独占業務はないため独立開業しにくいものの、専門分野を明確にすると自分の希少価値を上げ、顧客の獲得につなげられるでしょう。もちろん企業内での活躍も期待できます。

ビジネスシーンにおいて、中小企業診断士はさまざまな面で役に立つ資格です。試験の概要や学習ポイントなどを参考に、資格取得を目指しましょう。

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